「せっかく高額な費用をかけて外壁塗装をしたのに、数年後には剥がれてきた…」
こんな経験、あなたも聞いたことがあるのではないでしょうか?
実は、外壁塗装業界では、残念ながら手抜き工事を行ってしまう業者も存在します。
なぜ手抜き工事をしてしまうのか、どんな手抜きがあるのか、そしてどうすれば手抜き工事から守れるのか…。
この記事では、外壁塗装における手抜き工事について、その原因から対策までを詳しく解説していきます。
この記事を読めば、あなたも外壁塗装の手抜き工事について詳しく理解でき、安心して業者選びができるようになるはずです。ぜひ最後まで読んで、後悔のない外壁塗装を実現しましょう。
目次
外壁塗装で手抜きが多い理由
外壁塗装で手抜き工事が多発する背景には、いくつかの要因が考えられます。
手抜きがバレにくいという構造的な問題
外壁塗装は、素人には理解しにくい専門的な工事であり、多くの工程が隠れて行われます。
そのため、手抜き工事であっても、仕上がりの表面は綺麗に見えやすく、素人目には判断が難しいのです。
高圧洗浄やひび割れ補修といった下地処理は、特に塗装で覆い隠されてしまうため、手抜きされやすい箇所です。
また、手抜き工事の影響は、数年後に塗膜のひび割れや剥がれ、汚れといった形で現れることが多く、すぐに発覚しないことも手抜きが横行する一因となっています。
下請けへの丸投げと監督不在が招く外壁塗装の手抜き工事
外壁塗装における手抜き工事は、下請け業者への丸投げと現場監督の不在が大きな原因として挙げられます。多くの場合、外壁塗装の工事は、契約した業者から下請け業者へと仕事が委託されます。
下請け業者は、元請け業者から提示された価格内で工事を完了させるため、工期を短縮したり、材料費を削減したりするといった行為に走ることがあります。
そのため、工程を省いたり、塗料を薄めたりするなど、手抜き工事につながってしまうケースが見られます。
さらに、現場に監督が常駐していない場合、職人はより簡単に手抜きを行うことができます。
例えば、塗装の回数を減らしたり、下地処理を適切に行わなかったりといった行為が、監督の目が届かない環境下では容易に行われてしまうのです。
一度塗装が完了してしまえば、素人にはその工程を判断することが難しいため、手抜きを見抜くことは非常に困難です。
過剰な値下げと下請けへの圧力
外壁塗装において、手抜き工事が発生する原因の一つに、契約金額の過剰な値下げがあります。
塗装には、材料費や人件費、足場代など、さまざまな費用がかかるため、適正な価格が存在します。
しかし、顧客から過度な値下げ要求を受けると、業者は利益を確保するために、作業の省略、材料のすり替え、施工品質の低下といった行為に及んでしまう可能性があります。
これらの行為は、建物の寿命を縮め、雨漏りなどのトラブルを引き起こす原因となります。
また、一部のハウスメーカーや工務店などの元請け業者は、自社の利益を最大化するために、下請け業者に極端に安い価格で工事を依頼することがあります。
これにより、下請け業者は、利益を確保するために、どうしても手抜き工事を行わざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。
さらに、外壁塗装には一律の定価が存在しないため、一般の消費者は、提示された価格が適正かどうかを判断することが難しいのが現状です。
この情報格差を利用して、高額な費用を請求する悪質な業者も存在します。
外壁塗装における手抜き工事の実例
ここからは、外壁塗装における手抜き工事の実例をご紹介します。
契約した塗料と異なる塗料を使用する
外壁塗装において、契約した塗料と異なる塗料を使用する手抜き工事は、残念ながら少なくありません。
業者は、利益を優先し、より安価な塗料にすり替えることで、不正に利益を得ようとするのです。
具体的には、見積書に記載された高品質な塗料ではなく、安価な低品質な塗料を使用したり、契約で合意したフッ素樹脂塗料を、シリコン樹脂塗料やウレタン樹脂塗料にすり替えたり、さらには安価な塗料を高品質な塗料と偽って販売するといったケースが挙げられます。
このような利益優先の手抜き工事は、建物の寿命を縮め、早急に再塗装が必要になる可能性があるため、注意が必要です。
足場の手抜き工事
外壁塗装は、建物の寿命を左右する重要な工事ですが、一部の業者では、コスト削減を目的に足場に関する手抜き工事を行うことがあります。
例えば、丈夫なクサビ式足場の代わりに、労働安全衛生法で高所作業での使用が禁止されている安価な単管足場を使用したり、必要な箇所のみを簡単に組むことで足場組立の費用を抑えたりするケースがあります。
これらの手抜き工事は、職人の安全を脅かすだけでなく、塗装の品質低下にもつながります。
足場がしっかり組まれていないと、足元が不安定になり、細かな部分の塗装が行き届かなくなり、仕上がりが悪くなる可能性があります。
高圧洗浄の手抜き
外壁塗装において、高圧洗浄は古い塗膜や汚れを落とし、新しい塗料との密着性を高める重要な下地処理です。
これにより、塗装の耐久性が大幅に向上し、建物の寿命を延ばすことに繋がります。
しかしながら、残念なことに高圧洗浄を適切に行わず、洗浄時間を短縮したり、洗浄力を弱めたり、あるいは完全に省略してしまう業者も存在します。
このような手抜き工事は、建物の寿命を縮め、雨漏りなどのトラブルを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ひび割れ補修
外壁塗装は、建物を長寿命化するために欠かせない工事です。
しかし、一部の業者では、コスト削減や工期短縮を目的に、ひび割れ補修をせずに塗装を行うという手抜きが行われています。
外壁にひび割れがあると、そこから雨水が浸入し、建物の内部を腐食させたり、シロアリ被害の原因となったりする可能性があります。
また、ひび割れたまま塗装をしても、再びひび割れが浮き出てしまい、塗装の効果が半減してしまいます。
コーキング工事
外壁塗装において、コーキング(シーリング)工事は、建物の防水性を保つ上で非常に重要な役割を果たします。
しかし、一部の業者は、コスト削減や工期短縮を目的に、コーキング工事の手抜きを行うことがあります。
具体的には、劣化しているコーキングをそのままにして増し打ちしたり、既存のコーキングを完全に除去せずに重ね塗りしたり、安価な劣悪なコーキング材を使用したり、必要な厚さのコーキングを施工しなかったり、コーキングのひび割れを放置したりといったケースが挙げられます。
このようなコーキング工事の手抜きは、建物の寿命を縮め、雨漏りなどのトラブルを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
養生の手抜き
外壁塗装において、養生は塗料の飛散を防ぎ、周辺環境や建物を保護するための重要な工程です。
しかしながら、一部の業者では、コスト削減や手間を省くために、養生を適切に行わないケースが見られます。
具体的には、窓やドア、周辺の建材など、塗料が飛散しそうな箇所を全て保護せず、一部のみを養生したり、安価な養生材を使用したり、養生に十分な時間をかけずに作業を進めるといったことが挙げられます。
このような養生の不備は、塗料が意図しない場所に付着し、周辺環境を汚染したり、建物の美観を損ねたりするだけでなく、再塗装が必要になるなどのトラブルを引き起こす可能性があります。
必要以上に塗料を薄めて使う
外壁塗装では、塗料を水やシンナーで薄める「希釈」という作業が行われます。
この希釈率は、塗料の性能を最大限に引き出すために、各メーカーによって厳密に定められています。しかし、一部の業者は、コスト削減を目的として、この希釈率を守らず、塗料を必要以上に薄めて使用するといった手抜き工事を行っているケースがあります。
塗装回数を減らす
外壁塗装は、建物の寿命を左右する重要な工事です。
一般的に、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りを行うことで、塗膜の強度を高め、建物を長期間保護します。
しかし、一部の業者は、工期を短縮したり、コストを削減したりするために、塗装回数を減らすという手抜きを行っているケースがあります。
塗り分けが汚い
外壁塗装において、色の塗り分けは非常に重要な工程です。
塗るべき箇所と塗らない箇所を正確に区別し、丁寧に仕上げることで、建物の美観を保ち、塗装の耐久性を高めることができます。
しかし、一部の業者は、この塗り分け作業を雑に行い、手抜き工事を行っているケースがあります。
例えば、マスキングテープなどを適切に使用せず、塗料がはみ出したり、境界線がガタガタになったりすることがあります。
このような雑な塗り分けは、建物の外観を損ねるだけでなく、塗装の剥がれやひび割れの原因となる可能性があります。
乾燥時間を守らない
外壁塗装は、建物を長寿命化させる上で非常に重要な工事です。
塗料の性能を最大限に引き出し、建物を長期間にわたって保護するためには、各工程における乾燥時間が非常に重要です。
塗料は、乾燥することで硬化し、塗膜を形成します。
この乾燥時間が不足すると、下地の塗料が完全に乾いていない状態で上塗りを行うことで塗膜同士の密着性が弱まり、剥がれやひび割れの原因となったり、塗膜内部に水分が残ったままになり、乾燥収縮によって塗膜が膨れたり、ひび割れたりする可能性があったり、塗料の色が変色したり、ムラになったりする可能性があります。
一部の業者は、工期を短縮したり、コストを削減したりするために、乾燥時間を守らず、次の工程に移ってしまうことがあります。
このような手抜き工事は、建物の寿命を縮め、経済的な損失にもつながる可能性があるため、注意が必要です。
雨天や高湿度の状態でも塗装作業を行う
一部の業者では、工期を短縮したり、コストを削減したりするために、雨天時や高湿度の環境下でも塗装を行うという手抜きが行われています。
雨天時や高湿度下での塗装は、塗料の流出や乾燥不良を引き起こし、塗膜の耐久性を低下させ、見た目を損ねます。
その結果、建物の寿命が短縮され、雨漏りの原因となる可能性も高まります。
具体的には、雨水により塗料が流出し、塗膜が薄くなることで耐久性が低下したり、高湿度下では塗料が十分に乾燥せず、剥がれやひび割れが発生したり、塗膜にムラが生じたりするといった問題が考えられます。
塗装工事は、建物を長期間にわたって保護するための重要な工事です。
そのため、見た目にもこだわり、丁寧に仕上げてくれる業者を選ぶことが大切です。塗り分けの状態は、業者の技術力や仕事に対する姿勢を反映していると言えるでしょう。
外壁塗装における手抜き工事を予防する方法
外壁塗装は、建物の寿命を左右する重要な工事です。
手抜き工事をしてしまうと、せっかくの工事費用が無駄になってしまうだけでなく、建物の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
そこで、外壁塗装を依頼する際に注意すべき点と、優良な業者を見分けるためのポイントをまとめました。
1. 丁寧な現地調査を行う業者を選ぶ
外壁塗装の工事は、建物の状態に合わせて適切な施工を行うことが大切です。
そのため、まずは、現地調査をしっかりと行う業者を選ぶことが重要です。優良な業者は、建物の隅々まで丁寧に点検し、劣化状況を正確に把握します。
- 点検時間
60~90分かけて、建物の全体をくまなく点検してくれる業者を選びましょう。 - 点検項目
屋根、外壁、コーキングなど、建物のあらゆる部分を点検し、ひび割れや腐食などの劣化状況を細かく確認しているかを確認しましょう。 - 測定
メジャーなどを使用して、正確な塗布面積を測定しているかを確認しましょう。
2. 見積書をしっかり確認しよう
外壁塗装は高額な工事であるため、手抜き工事を防ぐために、業者選びは慎重に行う必要があります。
その際、見積書は非常に重要な情報源となります。見積書の内容をしっかりと確認することで、手抜き工事のリスクを減らし、安心して工事を依頼することができます。
手抜き工事の防止には、詳細な見積もりをもらうことが不可欠です。
理想的な見積書には、作業内容、使用する塗料の種類、塗り回数など、具体的な内容が明記されています。
金額が一括で記載されていたり、項目が曖昧な見積もりは、手抜き工事の可能性が高いと言えます。
詳細な見積もりが重要な理由は、作業内容を明確化し、価格の透明性を高め、万が一、手抜き工事があった場合でも、見積書の内容と照らし合わせることで業者の不正を証明しやすくなるからです。
3. 業者とのコミュニケーションを取っておく
外壁塗装は高額な工事であるため、手抜き工事なく安心して任せられる業者を選びたいものです。
そのために大切なのが、業者との密なコミュニケーションです。工事のすべてを業者任せにしてしまうと、「このお客様は何も気にしないだろう」と判断され、手抜き工事につながる可能性があります。
また、ご自身の住まいの状態や工事内容を理解しておかないと、実際に手抜き工事があった場合に気付くことが難しくなります。
具体的には、事前に外壁塗装に関する基本的な知識を身につけ、点検時や見積もり作成時には、建物の劣化状況や最適な補修方法について詳しく説明してもらうようにしましょう。
工事中は、定期的に作業報告を受け、進捗状況を確認し、疑問点はすぐに質問するなど、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
業者とのコミュニケーションが重要な理由は、お客様が見守っていることを意識させることで手抜き工事の防止につながり、お客様からの質問や意見を参考に、より良い工事を行うことができるようになる点にあります。また、工事中に問題が発生した場合でも、早急に解決することができます。
4. 写真で記録を残してもらう
外壁塗装は高額な工事であるため、手抜き工事なく、安心して任せられる業者を選びたいものです。そのために大切なのが、業者とのコミュニケーションと、工事の進捗をしっかりと確認することです。
工事中の様子を写真で記録してもらうことは、手抜き工事を防ぎ、工事の品質を保つ上で非常に有効な手段です。
写真が必要な理由は、普段目にすることのできない屋根裏や細かい部分の塗装の様子を視覚的に確認できること、手抜き工事をする業者は作業の様子を記録に残すことを嫌う傾向があり、写真が残っていれば後からでも手抜き工事を立証しやすくなること、そして工事の進捗を視覚的に確認できることでお客様が安心感を得られることなどが挙げられます。
具体的には、下塗り、中塗り、上塗りなど、各工程の写真や、使用された塗料缶の写真、万が一問題が発生した場合にはその状況を写真に収めてもらうようにしましょう。
契約前には、工事中の写真を撮影してもらうことや、写真の提供頻度について業者と事前に確認しておくと良いでしょう。
工事中の写真を残すことは、お客様にとっても業者にとってもメリットがあります。
写真という客観的な証拠を残すことで、お互いの信頼関係を築き、より良い工事へと繋げることができます。
外壁塗装の手抜き工事に遭ったときの対処法
外壁塗装で手抜き工事を見つけた場合は、まずは施工業者に直接、やり直しを依頼することが大切です。
「塗り分けが汚い」など、具体的に問題点を指摘し、見積もりと照らし合わせながら、作業内容が契約内容と合致しているかを確認しましょう。
特に、保証期間内であれば、無償でやり直しを依頼できる可能性があるため、契約書をよく確認することも重要です。
工事中に手抜きに気づいた場合は、その場で業者に指摘し、写真や動画などで記録を残しておくことが望ましいです。
工事後に気づいた場合でも、保証期間内であれば、速やかに業者に連絡し、状況を説明しましょう。
この際、冷静かつ丁寧に、感情的な言葉遣いを避け、写真などの証拠を揃えて、客観的な事実を伝えることが大切です。
業者に連絡しても対応してもらえない場合は、消費者センターや弁護士会などに相談することも検討しましょう。
これらの機関では、消費者の権利保護に関する相談に乗ってもらい、適切な解決策を見つけるためのサポートを受けることができます。
まとめると、外壁塗装の手抜き工事を見つけた際の対処法は、以下のようになります。
- 業者に直接連絡し、問題点を具体的に伝える
- 見積もりと照らし合わせ、契約内容と合致しているかを確認する
- 保証期間を確認し、無償でのやり直しを要求する
- 証拠を揃え、冷静かつ丁寧に交渉する
- 業者に対応してもらえない場合は、第三者に相談する
まとめ
この記事では、外壁塗装における手抜き工事の実態や、その原因、そして手抜き工事から身を守るための具体的な方法について解説してきました。
外壁塗装は高額な工事であり、一度の工事で建物の寿命を大きく左右します。そのため、業者選びは慎重に行う必要があります。手抜き工事をしてしまう業者もいる一方で、誠実に仕事をしてくれる業者もたくさんいます。
この記事で紹介した情報を参考に、複数の業者に見積もりを依頼し、しっかりと比較検討を行うことが大切です。また、契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点は必ず質問するようにしましょう。
外壁塗装は、一度の工事で建物を長く美しく保つための大切な投資です。この記事を参考に、後悔のない外壁塗装を実現してください。
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