私たちの住まいには、目立たないながらも重要な役割を担っている部材があります。
それがシーリング(コーキング)です。
シーリングは、外壁材やサッシなどの隙間を埋めて、雨水や風を防ぐ役割を担っています。
目立たない存在ですが、その重要性は計り知れません。
この記事では、シーリングの役割、種類、寿命、劣化の症状などについて詳しく解説します。
目次
シーリング(コーキング)とは?
シーリングとコーキングは、建物の目地に詰め物をして、水や空気が入り込むのを防ぐことです。
外壁材同士の隙間や、サッシと外壁の接合部などにシーリング・コーキングを施すことで、雨水が侵入するのを防ぎ、外壁材の劣化を防ぎます。
さらに、建材同士の摩擦を軽減し、地震などの揺れによる建材の破損を防ぐ効果も期待できます。
このように、シーリング・コーキングは、建物の寿命を延ばし、美しい外観を維持するために欠かせない存在なのです。
シーリングとコーキングの違い
建築業界では、「シーリング」と「コーキング」という言葉が混同されがちですが、実は微妙な違いがあります。
「シーリング」は、「隙間を密閉する」という意味合いが強く、防水性や気密性を高めるために用いられます。
一方、「コーキング」は、「隙間を埋める」という意味合いが強く、主に充填材として使用されます。
しかし、近年では両者の区別は曖昧になり、どちらの言葉も、建築物の防水性や気密性を保持するために、継ぎ目や隙間に充填する材料を指す言葉として使われています。
メーカーによっては、「シーリング材」を「シーラント」や「コーク」などと表記している場合もあります。
シーリング(コーキング)の用途
- 外壁
- 外壁材のつなぎ目やサッシ廻りに施工することで、雨水の侵入を防ぎ、外壁材の劣化を抑制します。
- 窓・サッシ
- 窓枠とサッシの隙間を埋めることで、雨風や外気の侵入を防ぎ、断熱効果を高めます。
- キッチン・浴室
- キッチンや浴室のタイル目地や浴槽廻りに施工することで、水漏れやカビの発生を抑制します。
- 床
- フローリングの継ぎ目や巾木と床の隙間を埋めることで、隙間風を防ぎ、断熱効果を高めます。
このように、シーリング(コーキング)は住まいの様々な場所で、快適な暮らしを守るために重要な役割を果たしています。
シーリング(コーキング)の種類
近年では、ゴムや樹脂製の「シーリング材」が主流となりましたが、用途や目的に合わせて様々な種類のシーリング・コーキングが開発されています。
それぞれの特徴を理解し、適切な種類を選ぶことが重要です。
1. アクリル系:扱いやすさと幅広い用途が魅力
- 水性の素材で、伸びが良く作業しやすい
- 湿っている場所にも施工可能
- 肉痩せしやすい、耐久性・耐候性が低い
- 外壁には不向き、太陽光が当たるとひび割れしやすい
2. ウレタン系:高い耐久性で外壁に最適
- 硬化すると弾力性があり、高い密封効果を発揮
- 紫外線に弱い、完全硬化までに時間がかかる
- 外壁塗装には上から塗装が必要
3. シリコン系:水回りの補修に最適
- 耐久性・耐水性に優れ、キッチンや浴室などの水回りに最適
- 上から塗装による保護ができないため、外壁や屋根には不向き
- ホームセンターで広く販売されている
4. 変成シリコン系:短時間で硬化し、外壁塗装に便利
- 硬化時間が短く、施工後30分で触れる、1時間で塗装可能
- シリコン系よりも耐久性が低く、ウレタン系よりも密着性が劣る
- 価格が高い
外壁におけるシーリング(コーキング)の寿命
外壁コーキングは、風雨や紫外線から家を守り、快適な住環境を維持するために欠かせない存在です。しかし、目立たない部分だけに、その重要性を見落としがちです。
コーキングの寿命は、場所や種類によって異なりますが、一般的には5~10年程度と言われています。
特に、雨や日光が当たりやすい場所は劣化が早くなります。
5年と聞くとまだ早いと感じるかもしれませんが、目に見えない部分では既に劣化が始まっている可能性があります。
新築であっても、5年経過後は専門業者による点検を推奨します。
外壁におけるシーリング(コーキング)の劣化の症状
太陽や雨風、地震など、様々なストレスにさらされるシーリングは、経年劣化によって様々な症状が現れます。
これらのサインを見逃さず、早めに対処することが、快適な住環境を守るために重要です。
ひび割れ
地震や建物の揺れ、経年劣化によって、シーリング材にひび割れが生じることがあります。
これは、表面的な亀裂だけでなく、内部まで劣化が進んでいる可能性があります。
ひび割れを発見したら、放置せずに専門業者に点検を依頼しましょう。
破断
ひび割れが進行すると、シーリング材が完全に切れて破断してしまうことがあります。
これは、シーリング材の寿命や施工不良が原因と考えられます。
破断は雨漏りなどの深刻なトラブルにつながるため、早急に打ち替え工事が必要です。
肉痩せ
シーリング材に含まれる可塑剤が溶け出すと、肉痩せと呼ばれる症状が現れます。
シーリングが薄くなり、隙間が生じてしまうため、雨漏りのリスクが高くなります。
これは、経年劣化だけでなく、新築時にシーリング材の量が足りていなかった可能性もあります。
上記の3つの症状は、いずれもシーリング材の劣化が進んでいるサインです。
放置すると、雨漏りや外壁材の劣化、断熱性能の低下など、様々な問題を引き起こす可能性があります。
まとめ
シーリング(コーキング)は、目立たない部分にあるにもかかわらず、住まいを守る重要な役割を担っています。
雨漏りやカビなどのトラブルを防ぎ、快適な住環境を維持するために欠かせません。
シーリング(コーキング)には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
用途や目的に合ったものを選ぶことが重要です。
また、経年劣化によって劣化するため、定期的なメンテナンスが必要です。
シーリング材の寿命は、一般的に10年程度と言われています。
そのため、10年に1回の定期的な点検とメンテナンスがおすすめです。
新築後5年経過あたりを目安に、専門業者に点検を依頼することを推奨します。
シーリング(コーキング)は、住まいの健康を守るために欠かせないものです。
この記事で紹介した内容を参考に、適切なメンテナンスを行いましょう。
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