築年数と共に現れる外壁のひび割れ。
見た目だけでなく、建物の寿命や安全にも影響を与える問題です。
「放置しても大丈夫かな?」
「ひび割れの種類や原因が分からない…」
「補修費用はどのくらいかかるんだろう?」
多くの疑問が浮かぶのではないでしょうか。
この記事では、外壁塗装におけるひび割れの種類、原因、リスク、補修方法を詳しく解説します。
目次
ひび割れの種類
一口に「ひび割れ」と言っても、種類によって原因や対処法が異なります。
ヘアークラック
髪の毛のように細いひび割れを指します。
幅は0.3mm以下で、表面の塗膜のみが割れた状態です。
原因としては、経年劣化や軽微な衝撃などが考えられます。
ヘアークラックは、放置してもすぐに建物に深刻な影響を与えることは少ないですが、進行すると構造クラックに発展する可能性もあります。
構造クラック
幅が0.3mmを超えるひび割れを指します。
外壁だけでなく、下地や構造部分にも影響している可能性があります。
原因としては、地震や不同沈下などの外的要因、あるいは建物の老朽化などが考えられます。
構造クラックは、放置すると雨漏りや建物の傾きなどの深刻な問題に繋がる可能性があります。
※不同沈下とは…地盤や建物が不揃いに沈む現象
開口クラック
窓枠や扉などの開口部周辺に発生する「開口クラック」は、外壁塗装における厄介なひび割れの代表格です。
特徴は、開口端部から斜め方向に亀裂が入ることが挙げられます。
原因としては、建物が受ける揺れやゆがみによって、外壁がずれてしまうことが考えられます。
開口部は上下左右に力がかかりやすい場所であるため、構造的な問題がなくても発生しやすい傾向があります。
乾燥クラック
モルタルやコンクリートの外壁によく見られるひび割れです。
施工後数日から数週間で発生することが多く、乾燥による収縮が原因と考えられます。
乾燥クラックは、ヘアークラックと同じく細く、表面の塗膜のみが割れた状態です。
軽微なひび割れであれば、放置しても問題ない場合もありますが、進行すると構造クラックに発展する可能性もあります。
※モルタルとは…セメントと砂(細骨材)と水を混ぜ合わせた建築材料です。
縁切れクラック
古い木造住宅で、外壁塗装を重ね塗りした場合によく見られるひび割れです。
前の塗装と新しい塗装の境目に発生することが多く、経年劣化や塗料の種類の違いなどが原因と考えられます。
縁切れクラックは、放置すると雨水が浸入し、下地の腐朽や建物の劣化に繋がる可能性があります。
ひび割れが発生する原因
外壁塗装におけるひび割れは、建物の美観を損なうだけでなく、雨漏りや建物の劣化の原因にも繋がるため、早めの発見と適切な対処が必要です。
原因1:外壁塗装の経年劣化
外壁塗装は、紫外線や風雨の影響を受け、時間経過とともに劣化していきます。
塗装膜が劣化すると、弾力性が失われ、ひび割れが発生しやすくなります。
特に、築10年以上経過した外壁はひび割れが発生しやすいので注意が必要です。
原因2:外壁塗装の施工不良
外壁塗装の施工不良も、ひび割れ発生の原因となります。
例えば、下地処理が不十分だったり、塗料の塗布量が少ない場合などは、ひび割れが発生しやすくなります。
また、天候が悪い日に塗装を行ったり、乾燥時間を守らなかったりした場合も、ひび割れが発生する可能性があります。
外壁塗装を業者に依頼する場合は、実績や信頼のある業者を選ぶことが重要です。
原因3:車や電車などの振動
交通量の多い道路沿いにある住宅の場合、車や電車などの振動によって外壁にひび割れが発生することがあります。
特に、大型トラックなどの重たい車両の振動は、外壁に大きな負担を与えます。
原因4:地震
地震などの強い揺れは、外壁に大きな負荷を与え、ひび割れが発生する原因となります。
震度5程度以上の地震であれば、築年数や建物構造に関わらず、ひび割れが発生する可能性があります。
原因5:住まいの構造の問題
不同沈下や建物の傾きなどの住まいの構造的な問題も、ひび割れの原因となります。
これらの問題によって、外壁に歪みが生じ、ひび割れが発生する可能性があります。
もし、外壁にひび割れを発見した場合は、早急に専門業者に調査を依頼することをおすすめします。
原因を突き止め、適切な補修を行うことで、ひび割れの拡大を防ぎ、建物の安全を守ることができます。
ひび割れがもたらすリスク
外壁塗装におけるひび割れは、放置すれば建物にとって深刻なリスクをもたらします。
ここからは、ひび割れがもたらす主要なリスクについて、それぞれの特徴と対策方法を詳しく解説します。
1. 雨漏りによる被害
ひび割れた箇所から雨水が侵入し、最初は目に見えない内部の劣化が進みます。
やがて雨漏りに繋がり、カビやシロアリの発生、建物の腐食、場合によっては構造的な問題を引き起こす可能性があります。
2. 建物の耐久性低下
ひび割れを放置すると、雨水だけでなく、風や紫外線も侵入しやすくなり、外壁材や下地の劣化を加速させます。
特に、木造住宅の場合は、雨水が内部に入り込み、腐朽やシロアリ被害を招き、建物の構造的な問題に発展する可能性があります。
3. 健康被害のリスク
ひび割れから侵入した雨水によって、カビやダニなどの繁殖が促進されます。
これらのカビやダニは、アレルギーや呼吸器疾患などの健康被害を引き起こす可能性があります。
特に、小さなお子様や高齢者、免疫力が低下している方は、より注意が必要です。
4. シロアリ被害
ひび割れから侵入した雨水は、シロアリにとって格好の餌となります。
シロアリは、木材を食害し、建物の構造を弱体化させ、倒壊のリスクを高めてしまいます。
5. 美観の低下
外壁にひび割れがあると、見た目が悪くなり、建物の資産価値が低下する可能性があります。
また、近隣住民からのクレームや、建物の老朽化を印象付ける原因にもなります。
6. 修繕費用の増加
ひび割れの程度によっては、簡単な補修で済む場合もありますが、進行が著しい場合は、外壁塗装全体をやり直す必要がある場合があります。
放置すればするほど、被害が拡大し、修繕費用も高額になる可能性があります。
ひび割れの補修方法
外壁にひび割れを発見したら、以下のポイントを参考に判断と対応を行いましょう。
ひび割れの幅
- 0.3mm以下の細いひび割れ:状況によっては自分で補修可能です。
- 1mm以上のひび割れ:専門業者に依頼することを強く推奨します。
- 高い位置にあるひび割れ:安全上の理由から、専門業者に依頼する必要があります。
補修方法
ひび割れの程度や状況に応じて、部分補修と全体補修の2種類から適切な方法を選択します。
1.部分補修
部分補修は、ひび割れ部分のみをシーリング材と呼ばれる補修剤で塞ぐ方法です。
シーリング材は、ゴムのような弾力性があり、ひび割れた部分を密閉し、雨水の侵入を防ぎます。
しかし、ひび割れの箇所が多い場合や外壁全体の劣化が深刻な場合は、部分補修では不十分であり、すぐに別の劣化症状が発生する可能性があります。
2.全体補修
全体補修は、外壁全体を塗装し直す方法です。
部分補修よりも費用は高くなりますが、ひび割れが全体的に広範囲にわたっている場合や、外壁全体の劣化が進行している場合には、効果的な方法です。
適切な判断と迅速な対応
外壁のひび割れは、放置すれば雨漏りや建物の劣化に繋がる可能性があります。
ひび割れを発見したら、すぐに専門業者に相談し、適切な判断と迅速な対応を心掛けましょう。
専門業者は、ひび割れの状態を正確に診断し、最適な補修方法を提案してくれます。
早めの対応によって、建物の寿命を延ばし、安全で快適な住環境を守ることができます。
まとめ
外壁塗装におけるひび割れは、放置すれば雨漏りや建物の劣化に繋がる深刻な問題です。
この記事では、ひび割れの原因、種類、リスク、補修方法について詳しく解説しました。
ひび割れの深刻さを理解し、早めの発見と適切な対策を講じることが、建物の寿命を延ばし、安全な住環境を守るために重要です。
もし、外壁にひび割れを発見したら、すぐに専門業者に相談しましょう。
専門業者は、ひび割れの状態を正確に診断し、最適な補修方法を提案してくれます。
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