雨や風、紫外線など、外壁は常に過酷な環境にさらされています。
そのため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。外壁塗装は、建物の美観を守るだけでなく、外壁の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすためにも重要な役割を果たします。

しかし、外壁塗装は費用が高額というイメージが強く、どのくらいかかるのか不安という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、外壁塗装の費用相場について、初心者にもわかりやすく解説します。外壁塗装を賢く節約するための5つのコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装の費用相場

築年数を重ねたマイホーム、外壁の色あせやひび割れは気になりませんか?放っておくと、雨漏りなどの原因にもなりかねません。

そこで今回は、外壁塗装の費用相場について、坪数別に詳しく解説します。

外壁塗装にかかる費用って、どのくらい?

30坪の戸建て住宅の外壁塗装にかかる費用は、一般的に60万円から115万円程度と言われています。
しかし、家の大きさや使用する塗料の種類によって、価格は大きく変動する可能性があることを念頭に置いておく必要があります。

以下は坪数別の費用相場をまとめた表になります。

坪数(延坪)塗装面積費用相場
10坪約33㎡約20~40万円
20坪約66㎡約40~100万円
30坪約99㎡約60~115万円
40坪約132㎡約80~135万円
50坪約165㎡約100~160万円
60坪約198㎡約110~200万円
70坪約231㎡約140~230万円
80坪約264㎡約160~260万円
90坪約297㎡約180~290万円
100坪約330㎡約200~320万円
※上記の表はあくまで目安です。「延坪数」とは、1階、2階、3階など建物の各階の床面積をすべて合計した坪数を指します。

上記の表は、工事やサービスの概算費用を把握するための参考資料として役立ちます。
複数の業者から見積もりを取得した際には、この表を参考に、内容や原因を理解した上で、納得できる価格かどうかを判断しましょう。

外壁塗装の費用に影響を与える要因

外壁塗装の費用は、実は様々な要素によって大きく左右されます。
ここからは、外壁塗装の費用を左右する要素について詳しく解説していきます。

1. 塗装面積

外壁塗装の費用は、坪数だけでなく、塗装面の面積によっても大きく変わってきます。

塗装面積とは、実際に塗装する壁や天井などの面積のことです。坪数は建物の床面積を表すものであり、必ずしも塗装面積と一致するわけではありません。
家の形状やドア・窓などの開口部の面積によって、同じ坪数でも塗装面積は大きく異なる場合があるのです。

塗装面積は、塗料の量や作業時間に影響を与えるため、外壁塗装費用の重要な要素となります。
見積もりを依頼する際には、必ず塗装面積が明記されていることを確認しましょう。

業者によっては、坪数のみで見積もりを出す場合がありますが、正確な費用を知るためには、塗装面積を把握することが重要です。

塗装面積を算出するには、専門知識が必要となります。多くの業者は、現地調査を行い、図面を使って正確な塗装面積を算出します。

2. 塗料の種類

外壁塗装の費用を左右する大きな要素の一つが、使用する塗料の種類です。
塗料には、それぞれ機能や価格帯、耐久年数などが異なります。

塗料の種類価格相場(1㎡あたり)耐用年数
アクリル塗料1,000~1,600円3~5年
ウレタン塗料1,400~2,300円5~8年
シリコン塗料1,800~2,800円7~13年
ラジカル塗料2,200~3,200円8~14年
フッ素塗料3,500~5,000円10~15年

このように、塗料の種類によって費用は大きく異なります。
業者によっては、複数の塗料の見積もりを出してくれる場合もあるので、予算や希望に合わせて最適な塗料を選ぶようにしましょう。

3. 外壁の劣化状況

外壁の劣化状況も、費用の大きな影響を与えます。

  • 軽微な劣化
    ひび割れや色あせなど、軽微な劣化であれば、比較的安価に塗装することができます。

  • 中程度の劣化
    塗膜の剥がれやサビなど、中程度の劣化であれば、下地処理が必要になるため、費用が高くなります。

  • 著しい劣化
    木部の腐朽や金属の穴あきなど、著しい劣化の場合は、大規模な修繕が必要となり、費用が高額になります。

外壁の劣化状況によっては、塗装だけでなく、修繕工事が必要になる場合もあります。

4. 外壁の素材

サイディングやALC(軽量気泡コンクリート)の外壁塗装は、モルタルの外壁塗装に比べて費用が高くなる傾向があります。
その理由は、サイディングやALCには目地があるため、コーキングの補修が必要になるからです。

目地とは、外壁材の間に設けられた隙間のことです。
サイディングやALCは、経年劣化によって目地がひび割れたり、劣化したりすることがあります。
劣化した目地を放置すると、雨水が浸入し、建物の劣化を早める原因となります。

コーキングの補修には、専用の材料と高度な技術が必要となります。
そのため、モルタルのように目地がなく、コーキングの補修が不要な素材に比べて、費用が高くなります。

サイディングやALCの外壁塗装を検討している場合は、コーキングの補修費用も見積もりに含まれていることを確認しましょう。

5. 塗装に使う色の数

外壁塗装は、色選びによって建物の印象を大きく変えることができます。
1色のみでシンプルなデザインにすることも、2色で塗り分けることで個性を出すことも可能です。
さらに、部分的にアクセントカラーを取り入れて、よりオリジナリティあふれるデザインにすることもできます。

しかし、使用する色の数が増えるほど、費用も高くなります。
これは、調色や塗り分けの手間が増えるためです。また、複数の種類の塗料を使用する場合や、複雑な塗り分け方をする場合も、費用が高くなります。

6. 階数

階数が多いほど塗装面積と足場の量が増え、費用が高くなるのは当然のことです。
しかし、足場は単なる費用ではなく、高品質な塗装を実現するために欠かせない安全設備なのです。

適切な場所に設置された安全な足場がない場合、作業員の転落や通行人のケガ、塗り残しなどのリスクが大幅に高まります。

足場の費用を過剰に安く設定している業者には注意が必要です。
そのような業者は、安全性を無視して簡易な足場を設置している可能性があり、その結果、仕上がりの質が低下したり、思わぬ事故が発生したりする可能性があります。

7. 付帯物の数

外壁塗装の費用は、外壁の面積だけでなく、付帯物の数によっても大きく変わってきます。

シャッターボックス、換気フード、雨戸、雨樋、破風板、笠木など、外壁には様々な付帯物が設置されています。
これらの付帯物は、塗装面積に直接関係ない部分もありますが、塗装が必要になる場合がほとんどです。

付帯物の数が多い場合は、塗装面積が少なくても、見積もり金額が高額になる可能性があります。これは、付帯物の塗装には手間と時間がかかるためです。

見積もりを取る際には、必ず付帯物が塗装に含まれているかどうかを確認しましょう。
もし、見積もり書に付帯物が記載されていない場合は、業者に確認する必要があります。

外壁塗装の内訳

外壁塗装には、「足場の設置」、「高圧洗浄」、「養生」など、塗装作業以外にもさまざまな工程が含まれるため、それらの作業費用も発生します。
以下は、外壁塗装の費用内訳を表にまとめたものになります。

項目作業内容単価目安
足場設置安全に作業を行うための足場を設置1㎡あたり600円~1000円
高圧洗浄外壁の汚れや古い塗料を洗い流す1㎡あたり100円~450円
養生塗装する箇所以外の周辺を保護する1㎡あたり200円~400円
下地補修外壁の劣化部分を修復し、塗装前に平らな状態にする1㎡あたり200円~2,500円
下塗り上塗り塗料の密着性を高め、仕上げを綺麗に1㎡あたり600円~1,500円
中塗り中間的な塗装1㎡あたり800円~4,500円
上塗り最終的な仕上げ塗装1㎡あたり800円~4,500円
諸経費廃材処理費、現場管理費、交通費など工事費用の3%~20%
※上記はあくまでも目安であり、実際の費用は業者や建物の状態によって異なります。

上記以外にも、付帯物の塗装費用やオプション料金などが発生する場合があります。

外壁塗装費用を賢く節約!知っておくべき5つのコツ

外壁塗装は、建物の美観を守るだけでなく、外壁の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすためにも欠かせません。
しかし、費用がどのくらいかかるのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

ここでは、外壁塗装費用を賢く節約するための5つのコツと注意点をご紹介します。

1. 複数の業者から見積もりを取る

外壁塗装を依頼する前に、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
業者によって見積もり金額は大きく異なるため、比較検討することで、最適な業者を選ぶことができます。

1-1. 極端に安い見積もりには注意する

外壁塗装の見積もりが相場よりも極端に安い場合には注意が必要です。業者が「格安」や「割引」と謳っていても、後になって追加費用を請求され、結果的に相場以上の金額になってしまうケースもあります。

また、価格自体は他社より安くても、手抜き工事をされてしまう場合もあります。
相場より大幅に安いということは、何らかの重要な工程が省かれている可能性があります。

人件費や塗料などの材料費が削減されると、塗装工事の質が低下して耐久性が落ち、早期に再塗装が必要になることがあります。

このような事態を避けるためにも、複数の見積もりを取り、適切な費用相場を把握することが重要です。
極端に安い業者に対しては、詳しい工事内容を確認し、なぜ費用を安くできるのか理由を尋ねるのも一つの方法です。

1-2. 訪問営業には注意する

突然訪問してきて「格安」や「今だけの割引」を強調する営業にも注意が必要です。
実際「訪問営業で急かされて、悪質な塗装業者と契約してしまった」というトラブルは、消費者センターにも多数報告されており、注意喚起されています。

訪問業者が「現地調査」と称して屋根に登り、わざと屋根材を破損させて修理を強要するケースもあります。訪問営業が来た場合、まずはその場で断ることが大切です。

また、即決せず、複数の業者から見積もりを取り、プランや対応を比較することが重要です。

外壁塗装の詐欺の手口や契約してしまった後の対処法については、関連記事「外壁塗装の詐欺の手口を徹底解剖!よくある事例とその対策についても解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

2. 自治体の助成金・補助金制度を活用する

お住まいの地域によっては、自治体から外壁塗装に使える助成金や補助金が出ている場合があります。これらの制度は、申請条件や助成金額などが自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

3. 火災保険を活用する

台風や大雨などの自然災害によって外壁が被害を受けた場合は、火災保険が適用される場合があります。
火災保険の適用条件は、保険会社によって異なるため、加入している保険会社に確認する必要があります。

4. 施工時期をうまく選ぶ

外壁塗装の施工時期によって、費用が大きく変わってくる場合があります。
一般的に、春と秋は塗装に適した時期とされており、費用も高くなります。一方、梅雨や冬は塗装に適さない時期とされ、費用も安くなります。

ただし、梅雨や冬は、雨や雪などにより作業が中断しやすく、工期が長くなりやすいというデメリットもあります。
工期が延びても追加費用を請求されることはほとんどありませんが、工事期間と塗装費用のバランスを考慮して、塗装時期を選ぶことが重要です。

5. 地元密着・自社施工業者に依頼する

外壁塗装費用を抑えたいなら、地元密着型や自社施工の業者に依頼することをおすすめします。
大手リフォーム会社に依頼すると、下請け業者に工事を発注することが多いため、中間マージンが発生し、費用が高額になる傾向があります。

一方、地元密着型や自社施工の業者は、自社のスタッフが直接施工を行うため、中間マージンが発生せず、費用を抑えることができます。

地元密着型の業者は、地域に根差しているため、人件費や交通費を抑えることができます。また、地域の気候や建物の特性に詳しく、最適な塗装方法を提案することができます。

自社施工の業者は、職人の技術力や施工品質に自信を持っているため、長期間にわたる保証を提供している場合が多いです。

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まとめ

外壁塗装は、建物の美観を守るだけでなく、外壁の劣化を防ぎ、建物の寿命を延ばすためにも重要な役割を果たします。
費用は高額になることもありますが、賢く節約することで、負担を軽減することができます。

今回ご紹介した5つのコツを参考に、複数の業者から見積もりを取り、施工時期や塗料の種類などを検討することで、最適な外壁塗装を実現しましょう。

外壁塗装は、建物を守り、資産価値を高めるための重要な投資です。
この記事で紹介した情報を参考に外壁塗装について理解を深め、マイホームを長く快適に保ちましょう。

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