突然ですが、ご自宅の外壁は、いつ最後に点検しましたか?
多くの住宅の顔とも言える外壁は、風雨にさらされ、年々劣化していきます。
そのため、定期的な塗装は、家の寿命を延ばす上で欠かせないものです。
しかし、この外壁塗装を巡っては、残念ながら多くのトラブルが発生しています。
悪質な業者が巧妙な手口で、消費者を騙そうとするケースが後を絶たないのです。
「まさか自分には関係ない」そう思っている方もいるかもしれません。
しかし、外壁塗装の詐欺は、誰にでも起こりうる問題です。
なぜなら、外壁の劣化は目に見えにくく、専門知識がないと、どこが悪いのか判断が難しいからです。
この記事では、外壁塗装の詐欺の実態を詳しく解説し、あなたやご家族が被害に遭わないための対策を具体的にご紹介します。
目次
1.外壁塗装の詐欺がなぜ多いのか?その理由とは
なぜ外壁塗装では詐欺が多いと言われるのでしょうか?
それは、私たちが普段あまり深く関わることのない、専門性の高い領域だからです。
1-1. 専門知識が必要だから
外壁塗装には、様々な種類の塗料や施工方法があり、素人の方にはその違いを判断するのが難しいのが現状です。
塗料の種類一つとっても、アクリル、シリコン、フッ素など、それぞれ特徴や価格が異なります。
どの塗料が最適なのか、適切な施工方法とは何か、これらの判断には専門的な知識が必要となります。悪質な業者は、このことを巧みに利用し、高額な工事費を請求したり、必要のない工事を勧めてきたりするのです。
1-2. 相場感がつかみにくい
外壁塗装の費用は、家の大きさや状態、使用する塗料の種類などによって大きく異なります。
そのため、相場感がつかみにくく、業者の提示する金額が妥当なのかどうかを判断するのが難しいのです。
外壁塗装の費用相場について知りたい方は、関連記事「外壁塗装の費用相場はどのくらい?費用に影響を与える要因や安くする方法を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
1-3. 訪問販売の増加
近年、訪問販売によるリフォーム詐欺が増加しています。
訪問販売では、業者が直接自宅に訪問し、その場で契約を迫ってくるため、冷静な判断が難しく、トラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
2.外壁塗装の詐欺に遭ってしまう人の特徴
外壁塗装は、家の寿命を左右する大切な工事です。
しかし、近年では悪質な業者による詐欺被害も後を絶ちません。
なぜ、このような被害に遭ってしまうのでしょうか?
今回は、外壁塗装の詐欺に遭いやすい人の特徴と、その理由について詳しく解説します。
2-1.外壁のメンテナンスを怠っている人
「家の外壁が汚れてきた」「ひび割れがある」など、外壁の劣化が気になる人は、悪徳業者の格好のターゲットになりやすいです。
業者は、この不安につけ込み、「このまま放置すると家が傷む」などと脅し、高額な工事契約を迫ってくることがあります。
2-2.一人暮らしの高齢者
高齢者、特に一人暮らしの高齢者は、体力的な衰えや、情報収集の難しさから、悪徳業者の巧みな手口に騙されやすい傾向にあります。
「今すぐ工事しないと危険です」など、焦らせるような言葉で契約を迫られるケースも少なくありません。
2-3.専門知識がない人
外壁塗装の専門知識がない人は、業者の言うことを鵜呑みにしてしまい、高額な工事契約を結んでしまう可能性があります。
どの塗料が良いのか、どのくらいの費用が適切なのか、判断できずに、業者の言いなりになってしまうのです。
2-4.急いで工事を行いたい人
雨漏りがしているなど、すぐにでも工事をしたいと思っている人は、焦ってしまい、十分な比較検討を行わずに契約してしまうことがあります。
2-5.訪問販売に弱い人
突然家に来た業者の話に、つい乗ってしまう人もいます。
訪問販売では、断りにくい雰囲気を作ったり、契約を急かしたりするケースが多いため、十分に注意が必要です。
3.外壁塗装の詐欺の手口を徹底解剖!典型的な事例とその対策
外壁塗装に関連する詐欺は、年々巧妙になってきています。
一見、親切で信頼できる業者に見せかけながら、実際には詐欺行為を行うケースが少なくありません。ここでは、特に注意が必要な詐欺手口をいくつかご紹介し、それぞれの対策について解説します。
手口➀:突然の訪問で塗装の必要性を強調する
悪質な業者は、突然家を訪問し、外壁の状態が非常に悪いと指摘して不安を煽ります。
「このままでは雨漏りが始まる」「外壁が剥がれ始めていて危険だ」などと述べ、即座に修理が必要だと迫ることが一般的です。
素人では外壁の状態を判断するのが難しいため、このような話に乗ってしまいがちです。
対策
業者が突然訪問してきて不安を煽る場合は、すぐに契約しないでください。
まずは、別の信頼できる業者に依頼して、外壁の状態を確認してもらいましょう。信頼できる業者は、詳細な説明や現場の写真を提供してくれるはずです。
手口②:高額な見積もりと大幅な値引きを提案する
次に多いのが、高額な見積もりを提示し、その後に大幅な値引きをするという手口です。
「通常は100万円以上かかる工事ですが、今すぐ契約すれば、50万円値引きします」「今日中に決めてくれたら特別に30万円でやります」など、大幅な値引きをちらつかせて契約を急がせる手口です。
この手口は、最初に高額な見積もりを提示して消費者に「これほどの費用がかかるのか」と思わせることを狙っています。
そして、その後に大幅な値引きを提案することで、「今がチャンスだ」と感じさせるのです。
しかし、実際には最初の見積もりが意図的に高額設定されており、値引き後の金額が実際の相場に近い場合がほとんどです。
対策
このような手口に対しては、複数の業者から相見積もりを取ることが有効です。
また、あまりに大幅な値引きをされる場合は、その業者が信頼できるかどうかを慎重に判断する必要があります。
特に、値引き後の価格が他社と比べて極端に安い場合は、工事の品質に問題がある可能性も考慮すべきです。
手口③:オリジナル塗料を安価で提供
「自社開発のオリジナル塗料を使うから安くて長持ちします」という謳い文句も、詐欺業者がよく使う手口です。
外壁塗装に使用される塗料は、国内では大手メーカーがほとんどを占めています。
小さな業者が大手よりも高性能な塗料を、格安で提供することは非常に難しいです。
対策
「オリジナル塗料」を勧められた場合は、その塗料の性能や保証について詳細に尋ねてください。
また、可能であれば、大手メーカーの塗料との比較を行うと良いでしょう。
信頼できる業者は、一般的に使用される塗料を推奨してくれるはずです。
外壁塗装や塗料の保証については、関連記事「外壁塗装の保証の種類と注意点!トラブル回避のために確認しておきたい5つのこと」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
手口④:見積もりが曖昧
見積もりの内訳が不明瞭で「一式〇〇万円」という形で提示される場合も、詐欺の可能性があります。詳細な内訳が不明な見積もりでは、後で追加料金を請求されたり、必要な作業が省かれたりするリスクが高くなります。
対策
見積もりを依頼する際は、工程ごとの詳細な内訳を明記してもらうようにしましょう。
信頼できる業者は、材料費や施工内容を明確に説明し、納得できる見積もりを提供してくれるはずです。
外壁塗装の見積もり書の見方については、関連記事「外壁塗装の見積もりでチェックすべき項目を解説!見積書の内訳や悪質業者の見分け方も」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
手口⑤:火災保険の利用を持ちかける
「火災保険を利用すれば、塗装費用が安くなる」と言って契約を迫るケースもありますが、火災保険は特定の条件を満たさなければ適用されません。
適用されなかった場合、全額自己負担となり、結果的に高額な費用を請求される可能性があります。
対策
火災保険の利用を勧められた場合は、保険の適用条件をしっかり確認しましょう。
また、保険会社に直接相談することもお勧めします。
火災保険の適用条件や申請手順については、関連記事「外壁塗装に火災保険が使える?適用条件や注意点、申請する手順について解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
4.外壁塗装の詐欺に遭わないための3つのステップ
外壁塗装は、家の寿命を左右する大切な工事です。
しかし、悪質な業者に騙されて、工事の質が低いまま高額な費用を支払わされるといった被害も少なくありません。
この記事では、外壁塗装の詐欺に遭わないために、契約前に必ず行うべき3つのステップを紹介します。
ステップ➀:訪問営業で即決しないこと
突然自宅に訪れる訪問販売の業者が、「今すぐ契約すればお得ですよ」と言ってくることがあります。
多くの人は、このような営業トークに押されてその場で契約してしまいがちです。しかし、この即決が詐欺のリスクを高める可能性があります。
その場で契約をしてしまうと、後から「もっと良い条件の業者がいたのに」と後悔することが少なくありません。
特に訪問営業は、時間的な余裕を与えずに決断を迫る手法をとることが多いです。
これにより、消費者は冷静な判断ができなくなり、不適切な契約を結んでしまう危険性が増します。
まずはその場で即決せず、一度見積もりを持ち帰りましょう。
そして、他の業者からも見積もりを取って比較することで、最も納得できる選択ができます。
ステップ②:複数の見積もりを比較すること
一社だけの見積もりを信じてしまうと、その金額が妥当かどうか判断するのは難しいです。
外壁塗装の費用は一定の相場がありますが、それを知らないと過剰な料金を請求される恐れがあります。
詐欺業者は、一般的な相場よりもはるかに高額な料金を提示したり、逆に異常に安い見積もりを出して契約を誘導してくることがあります。
安すぎる見積もりには、後で追加料金を請求する意図が隠れている場合もあるので要注意です。
複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、塗料の種類や工事内容も細かく比較することが必要です。
信頼できる業者は、見積もりを明確にし、説明も丁寧に行います。
複数の見積もりを比較することで、より良い業者を選び出すことができます。
ステップ③:クーリングオフ制度を理解しておくこと
万が一、詐欺の疑いがある業者と契約してしまった場合、契約を取り消す手段がないと感じるかもしれません。
しかし、日本には「クーリングオフ制度」という消費者を守るための法律があります。
この制度を知らないままにしておくと、詐欺業者に騙されたと気づいたときには手遅れになってしまうことがあります。
特に訪問販売で契約してしまった場合は、この制度が使えるかどうかを確認しておくことが重要です。
クーリングオフ制度は、契約後8日以内であれば無条件で契約を解除できる仕組みです。
この制度を利用する際は、必ず書面で申請し、証拠を残すことが大切です。
5.外壁塗装業者を選ぶ際の3つのポイント
外壁塗装を検討している方にとって、信頼できる業者選びは非常に重要です。
しかし、塗装業界には残念ながら悪徳業者も存在し、詐欺被害に遭うケースも少なくありません。
この記事では、外壁塗装業者を選ぶ際に確認すべき3つの重要なポイントを紹介します。
ポイント1:実績と評判をしっかり調べる
最初に確認すべきポイントは、業者の実績と評判です。
信頼できる業者は、過去の施工実績が豊富であり、地元での評判が良いことが多いです。
施工実績は業者のホームページやSNSで確認できることが多く、過去のプロジェクトを見てその技術力を把握することができます。
また、口コミサイトやレビューをチェックすることも重要です。
特に、地元で長年にわたり営業している業者であれば、地域の評判も信頼の指標となります。
知人や家族からの紹介も有益な情報源です。実際の利用者から直接話を聞くことで、業者の対応や施工品質についてより具体的な情報を得ることができます。
ポイント2:無料点検に安易に飛びつかない
多くの業者が無料点検を提供していますが、これには注意が必要です。
一部の業者は、短時間で表面的な点検を行い、実際には必要のない工事を勧めることがあります。
適切な点検には、外壁の劣化状態を正確に把握するために、少なくとも60分程度の時間が必要です。
また、点検後にすぐに契約を迫られる場合は、慎重になるべきです。
信頼できる業者は、点検結果を丁寧に説明し、写真を提供するなど、状況を詳しく報告してくれます。
安易に飛びつかず、他の業者と比較したり、十分な時間をかけて検討するようにしましょう。
ポイント3:契約書の内容をしっかり確認する
最後に、契約書の内容をしっかり確認することが不可欠です。
悪徳業者は、契約書の内容を曖昧にしたり、口約束で進めようとすることがあります。しかし、これでは後々トラブルが発生するリスクが高まります。
契約書には、工事の詳細内容、使用する塗料や材料、塗装範囲、費用、支払い方法、工事期間、保証内容などが明記されている必要があります。
また、工事中の写真を提供してもらえるかどうかも確認しましょう。
信頼できる業者は、工事の進行状況を写真で報告し、透明性を確保してくれます。
6.外壁塗装の詐欺にあったらどうすればいい?
詐欺に遭ってしまったと気づいたとき、まず頭に浮かぶのは「どうしよう?」という不安です。
すでに契約を結んでしまった場合や、工事が始まってしまっている場合は、どうすれば良いのか焦りを感じるかもしれません。
特に、法的な手続きに不慣れな人にとって、どこに相談すれば良いのか分からず、孤立感を感じることもあるでしょう。
ここからは、詐欺に遭ってしまったときの具体的な対処方法を紹介します。
6-1.クーリングオフを利用する
前述したように、契約後8日以内であれば、クーリングオフを利用して契約を無条件で解除できます。
クーリングオフを行うには、内容証明郵便で契約解除の意思を伝えることが大切です。既に支払った費用も全額返金されるため、早めの対応が必要です。
6-2.消費者センターに相談する
クーリングオフ期間が過ぎてしまった場合でも、消費者センター(国民生活センター)に相談することができます。
ここでは、専門の相談員が公正な立場で無料で対応してくれます。また、最寄りの消費生活センターに電話でつなぐことも可能です。
6-3.住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談する
外壁塗装に関するトラブルは、国土交通大臣指定の住宅リフォーム・紛争処理支援センターでも相談を受け付けています。
ここでは、住宅リフォームや各種工事に関する専門家がアドバイスをしてくれます。
6-4.弁護士に相談する
消費者センターや紛争処理支援センターで解決しない場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。
弁護士ドットコムなどのポータルサイトを利用すれば、詐欺に詳しい弁護士を探すことができます。法的な助言を受けることで、より適切な対応が可能になります。
まとめ
この記事では、外壁塗装の詐欺の手口や、被害に遭わないための対策について解説しました。
外壁塗装は高額な工事であるため、慎重に進める必要があります。
悪質な業者に騙されないためにも、複数の業者に見積もりを依頼し、契約書の内容をしっかりと確認することが大切です。
もし、すでに詐欺に遭ってしまった場合は、すぐに専門機関に相談しましょう。
この記事で紹介した情報を参考に、安心して外壁塗装業者を選んでください。
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