築年数が経つと、外壁はひび割れや色褪せが目立ってきますよね。
放っておくと建物の寿命を縮めるだけでなく、雨漏りの原因にもなりかねません。そこで今回は、外壁塗装に火災保険が使えるという意外な裏技をご紹介します。
「火災保険って火災の被害しか補償しないんじゃないの?」と思われる方も多いかもしれません。
実は、火災保険には風災や雹災、雪災などの自然災害による被害も補償するものがあります。
つまり、台風や突風で外壁が傷ついた場合、火災保険で修理費用をまかなえる可能性があるのです。
しかし、すべての外壁塗装が火災保険で適用されるわけではありません。適用されるかどうかは、被害状況や保険契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
この記事では、外壁塗装に火災保険が使えるかどうかを判断するためのポイントや、火災保険を適用するための具体的な手順を詳しく解説します。
火災保険を上手に活用すれば、外壁塗装費用を大幅に節約できる可能性がありますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
外壁塗装に火災保険が使える?
実は、外壁塗装費用の一部を火災保険で補填できるケースがあります。
ただし、 火災保険は本来、火災による損害を補償するものです。外壁塗装自体を火災保険で賄うことはできません。
では、どんな場合に火災保険が使えるのでしょうか?
主な例としては、台風や突風、雹(ひょう)などの自然災害で外壁が破損した場合が挙げられます。
これらの被害は、火災保険の風災や雹災の補償対象となる可能性があります。
保険金を受け取った後は、自由に使うことができますので、外壁塗装費用に充てることも問題ありません。
築年数が経過した住宅であれば、知らないうちに自然災害による被害を受けている可能性があります。
もし、外壁塗装を検討している場合は、事前に火災保険金の調査をしてみることをおすすめします。
ただし、 外壁塗装を先に完了させてしまうと、損害状況の証明が難しくなり、保険金請求が困難になる可能性があります。
まずは、火災保険金の調査を行い、被害状況を確認してから外壁塗装工事を進めましょう。
火災保険の種類
「火災保険」とひとくくりに言っても、実は6つの種類があります。
それぞれの特徴と、自分に合った保険を選ぶポイントを分かりやすく解説します。
1. 一般家庭向けの保険
- 住宅火災保険
火災、落雷、風災などによる建物の損害を補償する基本的な保険です。 - 住宅総合保険
住宅火災保険の内容に加え、家財の盗難、水害などの事故による建物の損害も補償します。 - オールリスクタイプ
住宅総合保険にさらに、破損や汚損など、より幅広いリスクを補償する保険です。
2. 住宅金融支援機構のローン支払い中の家の保険
- 特約火災保険
住宅金融支援機構のローン返済中に加入する火災保険です。補償内容は住宅火災保険と同じですが、保険料が安いのが特徴です。
3. 店舗・事務所などの事業者向けの保険
- 店舗総合保険
店舗・事務所の建物や什器備品、商品などを、火災や自然災害、盗難などのリスクから守る保険です。 - 普通火災保険
店舗・事務所・倉庫などの建物と建物に収容される家財を火災や自然災害から守る保険です。
火災保険は、補償内容や保険料が保険会社によって異なります。
加入を検討する際は、補償内容をよく確認し、自分に合った保険を選ぶことが大切です。
また、すでに火災保険に加入している場合は、定期的に補償内容を見直し、必要に応じて変更するのもおすすめです。
火災保険について詳しく知りたい場合は、ご加入中の保険会社に問い合わせるか、保険代理店にご相談ください。
外壁塗装に火災保険が適用されるケース
実は、火災保険は火災以外にも様々な被害を補償してくれるんです。
外壁塗装もその対象の一つとなり得ます。今回は、火災保険で外壁塗装がカバーされる3つの事例をご紹介します。
1. 台風や突風による被害
強風によって、以下のような被害が発生した場合、風災として火災保険で補償される可能性があります。
- 台風で屋根材が飛んでしまった
- 強風で棟板金が浮いてしまった
- 強風による飛来物で外壁が破損した
2. 雪や雹(ひょう)による被害
雪や雹による被害も、雪災や雹災として火災保険で補償される可能性があります。
- 雪の塊があたり、外壁材が陥没
- 積雪による重みで建物自体が歪んでしまった
- 雪の重みで屋根材、雨どいなどが破損してしまった
- 雹が降って外壁が割れてしまった
- 雹が外壁に当たり、穴が開いてしまった
3. 外部からの衝突・飛来物による被害
鳥や車両の衝突、荷物の落下などによって外壁が破損した場合も、外部からの衝突・飛来物による被害として火災保険で補償される可能性があります。
- 鳥などがぶつかって外壁に穴が空いた
- 車両が衝突してフェンスが破損した
- 荷物の搬入で物を落下させてタイルが破損した
意外と広い、火災保険の補償範囲
上記以外にも、火災保険で補償される外壁の被害は考えられます。もし、ご自宅の外壁に被害が見られる場合は、諦めずに火災保険の申請を検討してみて下さい。
外壁塗装に火災保険が適用されないケース
外壁塗装の費用を火災保険で賄えるケースもありますが、残念ながら適用されない場合もあります。
今回は、火災保険で外壁塗装費用が賄えない3つの主要な事例と、それぞれの詳細について解説します。
1. 経年劣化
経年劣化とは、時間経過や自然環境による建物の劣化を指します。具体的には、以下の要素が原因で起こります。
- 雨風
- 湿気
- 温度変化
- 日照
経年劣化による外壁の傷みや色あせは、火災保険の補償対象外となります。
これは、自然災害とは異なり、時間経過による不可避的な劣化と考えられているためです。
2. 害獣による被害
ネズミ、イノシシ、タヌキなどの害獣による被害も、火災保険で補償される対象ではありません。
理由としては、害獣の生息地が事前に分かっていることが多く、それを見越して住んでいると思われてしまうためです。
ただし、飛来してきた鳥による被害は、「外部からの衝突・飛来物」として、火災保険で申請できる可能性があります。
3. 業者による施工不良
施工不良が原因で外壁塗装が必要になった場合も、火災保険の対象とはなりません。
火災保険は、突発的な自然災害による損害を補償するものです。業者による施工不良は、人為的なミスであり、自然災害には該当しないためです。
ただし、施工不良の場合は、業者が無料で補修してくれる可能性があります。 施工不良が疑われる場合は、加入している業者に相談することをおすすめします。
外壁塗装に火災保険を適用するための条件
外壁塗装に火災保険を活用するためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
1. 災害による破損であること
台風、豪雨、豪雪などの自然災害によって外壁が損害を受けた場合、火災保険の適用が期待できます。オプションによっては、洪水・高潮や突風による飛来物なども補償対象となる可能性があります。
ただし、地震による損害は火災保険の対象外となりますのでご注意ください。 地震による被害の場合は、地震保険への加入が必要です。
2. 損害から3年以内に申請を行うこと
火災保険による補償を受けるためには、損害が発生してから3年以内に申請を行う必要があります。
5年前の台風が原因で外壁塗装が必要になったようなケースでは、残念ながら適用されない可能性があります。
すでに自費で外壁塗装を行ってしまった場合でも、3年以内であれば、工事費用の請求書を基に保険金の申請が可能です。さらに、内容によっては追加工事にも申請が認められる場合があります。
3. 補修費用が免責金額よりも高いこと
免責金額とは、保険金支払いの際に加入者が負担する金額です。
例えば、外壁塗装の工事費が50万円で、免責金額が20万円に設定されていた場合、受け取れる保険金は以下の通りとなります。
工事費 50万円 – 免責金額 20万円 = 保険金 30万円
つまり、保険金を受け取るためには、外壁塗装の工事費が免責金額よりも高いことが条件となります。
免責金額は、火災保険に加入する際に契約者が設定します。
契約内容を確認し、「免責金額」や「自己負担額」などと記載されている項目を必ず確認しておきましょう。
これらの条件を満たしていれば、火災保険を使って外壁塗装費用の一部を賄うことが可能です。
外壁塗装を検討している場合は、事前に火災保険の補償内容をしっかりと確認し、必要であれば専門家に相談することをおすすめします。
外壁塗装に火災保険を適用する際の注意点
外壁塗装に火災保険を活用する場合、事前に知っておくべき注意点がいくつかあります。
ここからは、よくある失敗事例と具体的な対策を解説します。
1. 被害状況の記録を怠ると保険金が支払われない
外壁塗装で火災保険を申請する際には、台風や豪雨などの自然災害による被害状況を写真で記録しておくことが重要です。
もし、被害状況を記録せずに補修をしてしまうと、火災保険の申請が認められない可能性があります。
例えば、台風で外壁の一部が破損した場合、破損箇所の写真を補修前に撮影しておきましょう。
2. 悪徳業者に騙されないように注意する
中には、「火災保険申請は代行します!」と偽って契約者に高額な費用を請求する悪徳業者も存在します。
火災保険金の申請は、必ず契約者自身が行う必要があります。
申請手続きのサポートを受けることは問題ありませんが、悪質な業者に騙されないよう、必ず信頼できる業者かどうかを確認しましょう。
外壁塗装の詐欺の手口や契約してしまった後の対処法については、関連記事「外壁塗装の詐欺の手口を徹底解剖!よくある事例とその対策についても解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 虚偽申請は絶対にしない
虚偽の火災保険申請は、詐欺罪に問われる可能性があります。
「写真だけならバレないだろう」と安易に考えてはいけません。
保険金はあくまでも被った被害を補填するためのものです。
4. 保険金が満額支払われるとは限らない
火災保険で申請したとしても、必ずしも満額の保険金が支払われるわけではありません。
保険鑑定人が自宅を調査し、申請内容と実際の被害状況が一致しているかどうかを確認します。
被害額が100万円であっても、鑑定の結果30万円しか認められない場合もあります。
このようなトラブルを防ぐためには、被害状況を適切に判断できる業者と契約することが重要です。
外壁塗装で火災保険金を請求する手順
外壁塗装の見積もりを取得する
まずは、地域の塗装業者に依頼して、被害状況の調査と修理費用の見積もりを取ってもらいましょう。この際、見積書に自然災害による被害であることを明記してもらうことが重要です。また、複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格かどうかを確認することができます。
保険会社に連絡する
見積もり金額が火災保険の免責額を超えていることを確認したら、加入している保険会社に連絡しましょう。
保険契約内容を確認し、外壁塗装が補償対象かどうかを確認する必要があります。
必要な書類を準備する
保険会社から指示された書類を準備します。
一般的には、火災保険金請求書、被害状況写真、修理費用の見積書などが求められます。また、被害状況を証明する資料があれば提出しておくと良いでしょう。
現地調査を受ける
保険会社から鑑定人が自宅を訪れ、被害状況を調査します。
立ち会いの必要はないことが多いですが、質問があれば積極的に尋ねましょう。
保険金の支払いを受ける
保険会社が被害状況を審査し、問題がなければ保険金が支払われます。
支払われる金額は、被害状況や保険契約内容によって異なります。
まとめ
外壁塗装に火災保険が使えるとは、意外な裏技ですよね。火災保険を上手に活用すれば、外壁塗装費用を大幅に節約できる可能性があります。
ただし、火災保険が適用されるかどうかは、被害状況や保険契約内容によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
この記事では、外壁塗装に火災保険が使えるかどうかを判断するためのポイントや、火災保険を適用するための具体的な手順を詳しく解説しました。
火災保険は、住まいを守るための大切な保険です。今回紹介した内容を参考に、外壁の状態をチェックし、必要であれば火災保険の適用を検討してみてはいかがでしょうか。
外壁塗装に関する疑問や不安は、信頼できる外壁塗装業者に相談することをおすすめします。
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