新築のように美しい外壁だったはずなのに、いつの間にか気になるシミやムラ…
外壁塗装のムラは、マイホームの外観を損なうだけでなく、建物の劣化にも繋がる厄介な存在です。
「せっかく塗装したのに、こんな状態になるなんて…」と、誰もが落胆してしまうでしょう。
しかし、諦める必要はありません。
この記事では、外壁塗装のムラについて詳しく解説し、放置することのリスクや、適切な対処法をご紹介します。
目次
外壁塗装のムラとは?
外壁塗装は職人による手作業で行われるため、多少の色ムラは避けられません。
光の加減で見えるような薄いムラは、経験豊富な職人や優良な業者でも発生する可能性があります。
しかし、目立つムラは、単に美観を損ねるだけでなく、外壁の機能低下にも繋がる可能性があります。
以下では、許容範囲と問題となるムラの違いを詳しく解説します。
補修の判断基準
外壁塗装のムラには、大きく2種類あります。
光の加減で見えるムラ
日の当たり方や見る角度によって目立つムラです。これは、塗料のムラではなく、光の反射によるものです。
塗膜の性能や耐久性に問題はないため、補修は不要です。
施工不良によるムラ
同じ壁面でも、明らかに色の濃淡がハッキリと分かるムラです。
これは、塗り方が不均一であったり、塗料の塗布量が不足していたりすることが原因と考えられます。
このようなムラは、美観を損ねるだけでなく、塗膜の防水機能を低下させ、外壁の劣化を早める可能性があります。そのため、補修が必要です。
補修が必要かどうか判断するポイント
- 目立ち度
離れた場所からでも分かるような、明らかな色の濃淡がある場合は、補修が必要です。 - 範囲
色ムラが広範囲にわたっている場合は、補修が必要です。 - 質感
色ムラだけでなく、塗膜の表面がザラザラしていたり、剥がれかけているような場合は、補修が必要です。
外壁塗装のムラの原因
外壁塗装の色ムラは、仕上がりの美観を損なうだけでなく、塗膜の劣化を早める原因にもなりえます。ここでは、色ムラの6つの主要原因と、それぞれ対策について詳しく解説します。
1. 下塗りが不十分
下塗りは、中塗り・上塗りの塗料が密着するための重要な役割を担っています。
下塗りが不十分だと、塗料が下地に染み込んだり、下地の状態が透けて見えたりして、色ムラが発生します。
2. 中塗り・上塗りの塗り方が不適切
中塗り・上塗りの塗り方が不均一だったり、塗り忘れがあったりすると、色ムラが発生します。
特に、上塗りで中塗りの色を完全に隠しきれない場合は、色ムラが目立ちやすくなります。
3. 塗料の使用方法を誤っている
塗料の種類によって、希釈量、塗布量、乾燥時間などが異なります。
これらの指示を無視して塗装すると、塗料がムラになりやすくなります。
4. 乾燥時間が不足している
塗料が十分に乾燥していない状態で次の工程に進むと、色ムラが発生します。
特に、冬場や雨天時は、乾燥に時間がかかるため注意が必要です。
5. 塗装業者の技術不足
塗装業者の技術不足は、色ムラ発生の大きな原因となります。
経験や技術が不足した業者が塗装を行うと、塗りムラができたり、塗料のタレが発生したりして、仕上がりが悪くなります。
6. 施工不良
業者の手抜きやミスによって、色ムラが発生してしまうことがあります。
例えば、塗料をケチって薄く塗ったり、必要な工程を省略したりすると、ムラが発生しやすくなります。
外壁塗装のムラを放置するリスク
外壁塗装のムラを放置することは、建物の寿命を縮め、美観を損なうだけでなく、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
1. 耐久性・防水性の低下
塗装ムラは、塗膜の厚さが不均一になるため、本来の耐久性や防水性が低下します。
紫外線や雨風などの外的要因から外壁を十分に守ることができず、劣化が早まります。
本来10年持つはずの外壁が、5年で塗り替えが必要になるケースも少なくありません。
2. 外壁の劣化
塗装ムラがあると、外壁は紫外線や雨、風などの外的要因に直接さらされることになります。
その結果、ひび割れ、錆、コケなどの劣化現象が発生しやすくなります。
ひどい場合には、塗装が剥がれてしまい、雨水が内部に浸入し、建物の構造体を腐食させる恐れもあります。
3. 建物の資産価値の低下
外壁塗装のムラは、建物の外観を損ない、資産価値を大きく低下させる可能性があります。
特に、売却や賃貸を検討している場合、買主や入居希望者からマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
4. 早期メンテナンスの必要性
塗装ムラを放置すると、早いうちに再塗装が必要になります。
本来であれば10年後に予定していた塗り替えが、5年後になってしまう可能性も十分にあります。
結果的に、塗装にかかる費用が増加してしまうことになります。
外壁塗装のムラを見つけた時の対処法
外壁塗装後に色ムラを見つけてしまった場合、焦らず適切な対処をすることが重要です。
以下では、後悔しないための賢い行動を2ステップでご紹介します。
ステップ1:まずは施工業者に相談する
たとえ小さなムラであっても、塗装ムラは素人では解決できない問題である可能性が高いです。
なぜなら、外壁塗装は専門的な知識と技術が必要な作業であり、適切な処置をしないと、さらなるトラブルを引き起こしてしまう可能性があるからです。
そこで、まずは塗装工事を請け負った業者に相談しましょう。
多くの場合、施工後一定期間であれば、無償または低料金で補修に応じてくれます。
特に、足場が設置されている期間中にムラを発見した場合は、すぐに業者に連絡することが重要です。足場が撤去されてしまうと、補修作業に余計な費用がかかってしまう可能性があります。
ステップ2:業者の対応が不十分な場合は、消費者センターへ相談する
誠実な業者であれば、お客様からのクレームに真摯に対応し、適切な補修処置を講じてくれるはずです。
しかし、中には悪徳業者や、クレーム対応に慣れていない業者も存在します。
もし、業者に相談しても埒が明かない、あるいは不誠実な対応を受けた場合は、消費者センターへ相談することを検討しましょう。
消費者センターは、トラブル解決に向けて、業者との間に入って交渉をしたり、必要なアドバイスを提供したりすることができます。
消費者センターに相談するべきケース
- 業者から補修に応じられない、もしくは修理費用を全額負担させようとする。
- 連絡しても一向に回答を得られない。
- 誠実な対応が見られない。
素人が自分で直すのは避けるべき
外壁塗装のムラを自分で直そうとするのは、非常に危険です。
高所での作業であるため、落下などの事故に繋がる可能性があります。
また、適切な技術や知識がないまま作業を行うと、ムラを悪化させてしまう可能性もあります。
外壁塗装のムラを防ぐための2つのポイント
外壁塗装におけるムラは、仕上がりの美観を損なうだけでなく、建物の劣化にも繋がるため、事前にしっかりと対策することが重要です。
ここでは、ムラを防ぐための2つのポイントを詳しく解説します。
1. 塗料選びを慎重に行う
外壁塗装には、様々な種類の塗料が使用されます。
塗料によって、性質や仕上がり具合が異なるため、外壁材や状態に合ったものを選ぶことが重要です。
- 吸水性の高い外壁材
浸透性の低い塗料を選ぶことで、塗料が過度に吸収されるのを防ぎます。 - 色や光沢
外壁の素材や状態に合わせて、適切な色や光沢の塗料を選びます。 - 専門家の意見
塗料選びに迷ったら、塗装専門業者に相談し、最適な塗料をアドバイスしてもらいましょう。
2. 信頼できる塗装業者を選ぶ
塗装業者の選び方は、仕上がりに大きく影響します。
- 実績:過去の施工事例などを参考に、実績のある業者を選びましょう。
- 説明:見積もりの段階で、作業内容や費用の内訳を丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
- 技術:実際に塗装作業を見学させてもらい、技術力に納得できる業者を選びましょう。
まとめ
外壁塗装のムラは、建物の外観を損なうだけでなく、耐久性や防水性の低下、ひいては建物の劣化にも繋がる深刻な問題です。
この記事では、外壁塗装のムラの種類、原因、放置のリスク、適切な対処法、そしてムラを防ぐためのポイントを詳しく解説しました。
外壁塗装のムラを発見したら、早急に専門業者に相談し、適切な補修を受けることが重要です。
放置すれば、さらなるトラブルを招き、多額の費用がかかってしまう可能性もあります。
「美しい外壁を維持したい」、「建物の寿命を延ばしたい」とお考えの方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、適切な対策を講じてください。
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