雨風にさらされる外壁は、経年劣化によって美観を損なったり、機能が低下したりしてしまいます。
定期的なメンテナンスとして外壁塗装が必要になるケースが多いのですが、すべての外壁材が塗装を必要とするわけではありません。
そこで今回は、意外と知られていない「外壁塗装が必要ない家」について解説します。
外壁塗装は、決して安価なものではありません。
必要のない塗装にお金をかけるのは避けたいですよね。
この記事では、自宅に外壁塗装が必要かどうかを簡単に確認できる方法や、塗装が必要ない家の特徴などを詳しくご紹介します。
外壁塗装について少しでも疑問や不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
外壁塗装が必要ない家ってあるの?
実は、外壁の種類によっては、塗装が不要なものもあります。
1.タイル
外壁塗装は、家を長持ちさせるために欠かせないメンテナンスですが、実は塗装が必要ない外壁材もあるんです。その代表格が、「タイル外壁」です。
石や砂、粘土を高温で焼き固めたタイルは、まさに自然の力強さをそのまま具現化したような素材です。
雨や日差しにも強く、傷や汚れにも負けないタフネスが自慢です。
塗装なしでも30年以上という驚きの耐用年数を誇り、メンテナンスの手間も省けます。
まさに、「一生モノの外壁材」と言えるでしょう。
しかし、タイル自体が最強だからといって、安心は禁物です。
タイルを接着する目地や、目地に使われる材料は、タイルと同じ強さを持ち合わせていません。
モルタルやセメントを使った目地は、水分を吸い込んで劣化しやすいので、定期的な補修が必要です。タイルに塗装をするのは逆効果で、かえって劣化を早めてしまう可能性があります。
タイル外壁は、塗装の手間が省けるだけでなく、美しい外観も長持ちします。
経年変化による色あせも少なく、いつまでも「新築のような輝き」を保ち続けることができます。
※モルタルとは…セメントと砂(細骨材)と水を混ぜ合わせた建築材料です。
2.レンガ
レンガは、泥や粘土を高温で焼き固めた素朴で味わい深い素材です。
外壁塗装は不要で、50年以上という驚異的な耐用年数を誇ります。
タイルよりも長持ちするのも魅力の一つです。
水を吸い込まないため、水の膨張による割れや、温度変化による伸縮も起こりにくく、長年美しい外観を保ち続けます。
ただし、目地部分は経年劣化によって補修が必要となります。
レンガ自体は劣化しにくいのですが、目地に使われるモルタルは水分を吸い込んで劣化しやすいからです。
ひび割れなどが発生すると、雨水が侵入し、レンガ本体の劣化を招きやすくなります。
レンガに塗装をすることは避けましょう。
塗装は10年から15年ごとに塗り替える必要があり、かえってメンテナンスの手間が増えてしまいます。さらに、塗装膜の劣化がレンガ本来の風合いを損なう可能性もあります。
経年変化による風合いを楽しみたい方には、レンガは特におすすめの素材です。
メンテナンスの手間も少なく、自然素材ならではの経年変化を味わいながら、長く美しい外観を維持することができます。
レンガの外壁をお考えの方は、目地のメンテナンスを忘れずに、自然の風合いを存分に楽しみましょう。
3.樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主原料とした、外壁塗装不要の外壁材です。
サイディングの中でも耐水性や耐久性に優れ、欧米では広く普及しています。
特長
- 高い耐水性
- 浸水による膨張や凍害に強く、北海道などの寒冷地でも安心して使用できます。
- 目地レス設計
- つなぎ目がないサイディングであれば、目地補修の必要がなく、メンテナンスの手間を大幅に削減できます。
- 豊富なカラーバリエーション
- デザイン性の高い外観を実現できます。
樹脂系サイディングは、欧米では高い人気を誇る外壁材ですが、日本ではまだ普及率が低いという課題があります。これは、施工できる業者が少ないためです。
樹脂系サイディングをお考えの方は、施工可能な業者を探すことが重要となります。
樹脂系サイディングの耐用年数は10年以上と言われていますが、紫外線によって徐々に弾力が失われ、割れやすくなる可能性があります。
そのため、塗装は不要ですが、20年から30年経過した頃にはメンテナンスが必要となる場合が多いです。
欧米で大人気の樹脂系サイディングは、メンテナンスの手間を省きたい方や、デザイン性の高い外観を求める方におすすめの素材です。
施工業者の普及が進めば、今後さらに注目される外壁材となるでしょう。
自宅の外壁を確認してみよう
雨風にさらされる外壁は、経年劣化によって美観を損なったり、機能が低下したりしてしまいます。
定期的なメンテナンスとして外壁塗装が必要になるケースが多いのですが、すべての外壁材が塗装を必要とするわけではありません。
そこで今回は、自宅の外壁に塗装が必要かどうかを簡単に確認できる方法を2つご紹介します。
外壁がタイルやレンガであるかを確認する
近年では、本物のタイルやレンガに似たデザインのサイディング材も開発されています。
見た目だけで判断せず、実際に触ってみるなどして、本物かどうか確認することが大切です。
- タイル外壁の見分け方
- 音:叩くと「コンコン」とガラスのような音がします。
- 目地:タイルとタイルの間には、ゴム材などの目地がありません。
- レンガ外壁の見分け方
- 質感:表面に凹凸があり、独特の風合いを感じることができます。
- 形状:ひとつひとつのレンガの形や大きさが微妙に異なっています。
外壁の劣化症状を確認する
外壁に以下のような症状が見られる場合は、外壁塗装を検討する時期です。
- チョーキング:外壁を触ると白い粉が付着する
- 塗膜の剥がれ:塗装が剥がれ落ちたり、浮いたりしている
- ひび割れ:塗装にひび割れが発生している
- 色褪せ:外壁の色が褪せている
- 塗膜の膨れ:塗装が膨らんでいる
- 無数の傷:外壁に無数の傷がある
- サビ:外壁にサビが発生している
- 著しい藻・コケ:外壁に藻やコケが著しく発生している
塗装が必要であるのに放置するリスク
塗装が必要である外壁にも関わらず塗装を放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか。
ここからは、外壁塗装を放置した際のリスクについてご紹介します。
マイホームが台無し!見るも無残な「ボロボロの家」
外壁塗装が剥がれたり、色あせたりすると、せっかくのマイホームが台無しになってしまいます。
まるで築何十年も経ったような古びた外観となり、ご近所からの悪印象を与えてしまうだけでなく、建物の資産価値も大きく低下してしまうでしょう。
さらに、カビや藻が生えると、悪臭が発生し、近隣住民に迷惑をかけるだけでなく、健康被害のリスクも高まります。
ジワジワ忍び寄る雨漏り、そして崩壊の危機
外壁塗装が劣化すると、雨水が外壁の隙間から侵入し、ジワジワと建物の内部を侵食していきます。
これが雨漏りの始まりです。
雨漏りは、建物の構造体を腐食させ、深刻な被害をもたらします。
柱や土台などの重要な部位が腐食すれば、耐震性が低下し、地震で倒壊する危険性も高まります。
さらに、雨漏りが原因でカビやダニが発生し、健康被害を引き起こす可能性も否定できません。
家を食いつくす「シロアリ」という恐怖
雨漏りを放置していると、シロアリという恐ろしい敵が出現します。
シロアリは、湿った木材を餌にして繁殖し、建物の構造体を内部から食害していきます。
シロアリの被害は深刻で、気づいた時には柱や土台がボロボロになっていたというケースも少なくありません。最悪の場合、家屋の崩壊につながる可能性もあります。
恐ろしいことに、シロアリの被害は、普段の生活では気づきにくいことが多いのです。
発見が遅れ、被害が拡大してからでは、取り返しがつかない事態となる可能性もあります。
後回しにすればするほど、とんでもない出費に
外壁塗装は、劣化の程度によって費用が異なります。
軽度な劣化であれば、比較的安価で済む場合が多いですが、劣化が進行すると、高額な費用が必要になります。
外壁塗装を先延ばしにすればするほど、劣化が進み、塗り替え以上の金額負担になる可能性も高くなります。
早めに対処することが、結果的に費用を抑えることにつながります。
外壁塗装は、建物を長持ちさせ、安全で快適な住空間を守るために欠かせません。
上記のようなリスクを回避するためにも、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが重要です。
まとめ
タイルやレンガの外壁は、塗装不要でメンテナンスの手間が省けます。
外壁塗装は、建物の美観を守るだけでなく、耐久性を維持するためにも欠かせません。
塗装が必要かどうか迷ったら、専門業者に相談することをおすすめします。
外壁塗装は、決して安価なものではありません。
しかし、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、美観を守ることができます。
長い目で見れば、コストパフォーマンスの高い投資と言えるでしょう。
外壁塗装は、快適な住まいを守るために重要なメンテナンスです。
上記の記事を参考に、ご自宅に合った外壁塗装を選んでください。
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