外壁塗装の工事を控え、「ご近所への挨拶は必要?」と迷っていませんか?
足場の設置や高圧洗浄、塗装作業に伴う騒音や塗料のにおいは、思っている以上に周囲に影響を与えます。
事前にきちんと説明をしておかないと、工事が始まった途端に「知らなかった」「迷惑だ」と不満を持たれてしまうことも。近隣とのトラブルを防ぐためにも、事前の挨拶が欠かせません。
また、挨拶をする範囲やタイミング、手土産の選び方にもマナーがあります。たとえば、「どこまで挨拶すればいいのか?」「どんな品物を渡せば失礼にあたらないか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。さらに、相手が不在の場合の対応や、工事後のお礼の仕方についても悩むところです。
そこでこの記事では、外壁塗装の近所挨拶について、挨拶の重要性から時期・範囲、伝えるべき内容、手土産選びのコツ、挨拶状の書き方まで、トラブルを回避するための具体的なポイントを詳しく解説します。
目次
1. 外壁塗装で近所の挨拶はなぜ重要?

外壁塗装を行う際、ご近所への挨拶は欠かせません。工事による騒音や塗料のにおいなど、近隣住民に影響を与える可能性があるため、事前に誠意をもって説明することが重要です。また、適切な挨拶を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズに工事を進めることができます。
ここでは、外壁塗装における近隣挨拶の重要性について、3つの側面から詳しく解説します。
1-1. 工事による迷惑への配慮を示す
外壁塗装工事中は、どうしても騒音や塗料の飛散など、近隣住民の方々にご迷惑をおかけしてしまいます。例えば、足場の組み立てや解体時には、金属音が響いたり、作業員の話し声がしたりすることがあります。また、高圧洗浄や塗装作業では、塗料や洗浄水が飛散する可能性も考えられます。
これらの迷惑行為に対して、事前に挨拶をすることで、「迷惑をかけて申し訳ない」という配慮の気持ちを伝えることができます。また、工事内容や期間などを具体的に伝えることで、近隣住民の方々も心の準備ができ、ストレスを軽減できるでしょう。
1-2. スムーズな工事進行のための協力を得る
工事をスムーズに進めるためには、近隣住民の理解と協力が欠かせません。例えば、塗装工事の際には足場を組むために敷地の一部を借りる必要がある場合があります。こうした際に事前に相談し、許可を得ておくことで、作業が円滑に進みます。
また、業者の車両が近隣の駐車スペースを一時的にふさぐ場合もあります。このようなケースでは、「工事中の○日間だけ駐車場の一部をお借りする可能性があります」など、事前に事情を説明し、了承を得ることが重要です。突然知らされるのではなく、前もって話をしておけば、トラブルの発生を防げます。
さらに、工事期間中は周囲にホコリが舞ったり、塗装のにおいが広がったりするため、窓を閉めるようお願いする場合もあります。この際も、事前に「○日から○日までの間、においが気になるかもしれませんので、窓を閉めていただけると助かります」と伝えておけば、近隣住民も対策しやすくなります。
1-3. 防犯対策としての効果も
外壁塗装工事中は、足場が設置されるため、空き巣に狙われやすくなるという側面もあります。実際に、足場を伝って空き巣に入られたという事例も報告されています。
事前に挨拶をしておくことで、近隣住民の方々に工事期間中であることを周知し、不審者に対する警戒心を高めてもらうことができます。また、工事関係者以外が出入りしている場合に、声をかけてもらうなどの協力を依頼することもできるでしょう。
2. 外壁塗装の挨拶はいつ、どこまでするべき?
外壁塗装の挨拶をする際、「いつ」「どこまで」伝えればよいのか悩む方も多いでしょう。適切なタイミングで、適切な範囲の方々に挨拶を行うことで、近隣との良好な関係を維持し、工事トラブルを防ぐことができます。ここでは、外壁塗装の挨拶を行うべきタイミングと範囲について、詳しく解説します。
2-1. 挨拶の最適なタイミング:工事開始の1週間前を目安に
外壁塗装の挨拶は、工事開始の1週間前を目安に行うのが最適です。早すぎる挨拶は、相手に忘れられてしまう可能性があります。逆に、遅すぎる挨拶は、相手に心の準備をする時間を与えられません。
1週間前であれば、近隣住民の方々は工事の予定を把握し、心の準備をすることができます。また、工事中に何か問題が発生した場合でも、余裕をもって対応できるでしょう。
もし、挨拶のタイミングが遅れてしまった場合は、工事開始の3日前までには済ませるようにしましょう。その際は、遅れたことへのお詫びの言葉を添えるようにしてください。
また、当日に再度簡単な挨拶を行うとより丁寧です。「本日から工事が始まりますので、よろしくお願いいたします」と一言添えるだけでも、近隣の印象が良くなり、トラブル回避につながります。
2-2. 挨拶すべき範囲:両隣、真裏、道路を挟んだ向かい側には直接挨拶を
外壁塗装の挨拶は、両隣、真裏、道路を挟んだ向かい側の住宅には、直接訪問して行うのが理想的です。これらの住宅は、工事の影響を最も受けやすいと考えられるためです。
特に、両隣の住宅は、騒音や塗料の飛散などの影響を直接受ける可能性が高いため、丁寧に挨拶をすることが重要です。また、狭い道路沿いの住宅では、工事車両の駐車や資材の搬入が原因でトラブルになることがあるため、道路を挟んだ向かい側の方にも配慮することが大切です。
「どの家まで行けばいいか迷う」という場合は、工事業者に相談するのがおすすめです。プロなら過去の経験から、影響範囲を適切に判断できます。
3. 近所の挨拶で伝えるべき重要な内容
外壁塗装の挨拶では、ただ「工事をします」と伝えるだけでなく、相手が知りたい情報を的確に伝えることが大切です。具体的には、「工事期間と作業時間」「工事内容の概要」「注意すべきポイント」「連絡先」の4つが重要になります。これらを適切に伝えることで、近隣の理解を得やすくなり、トラブルを未然に防ぐことができます。以下、それぞれのポイントを詳しく解説します。
3-1. 工事期間と作業時間帯
工事の期間と作業時間帯を明確に伝えることで、近隣住民の不安を軽減できます。突然の工事開始に驚かれたり、「いつまで続くのか分からない」と不安に思われたりしないよう、具体的なスケジュールを事前に説明しましょう。
伝えるべきポイントは以下の通りです。
- 工事の開始日と終了予定日(例:「○月○日~○月○日まで」)
- 作業時間(例:「朝9時から夕方5時まで作業を行います」)
- 休工日について(例:「日曜日は作業を行いません」)
例えば、「○月○日から○月○日まで外壁塗装工事を行います。作業時間は朝9時から夕方5時ごろまでを予定しております。ご不便をおかけすることもあるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします」と伝えれば、相手も工事の予定を把握しやすくなります。
また、「天候によって工事日程が変更となる場合があります」と一言添えておくと、スケジュールのずれが生じた際のトラブルを防げます。
3-2. 工事内容の概要(足場、洗浄、塗装など)
工事の具体的な内容を説明することで、近隣の方々に安心感を与えられます。外壁塗装にはいくつかの工程があり、それぞれで発生する影響が異なります。特に「足場の設置」「高圧洗浄」「塗装」の3つの工程について説明すると、相手も理解しやすくなります。
- 足場の設置
工事初日に足場を組みます。この際に金属音が発生するため、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭には配慮が必要です。 - 高圧洗浄
外壁の汚れを落とすため、強い水圧で洗浄を行います。洗浄時には大きな音が発生するため、近隣住民に事前に知らせておくと親切です。 - 塗装
塗装作業中は、塗料のにおいが発生します。特に夏場は窓を開けている家庭も多いため、注意喚起を行うとよいでしょう。
例えば、「○月○日に足場を設置し、その翌日に高圧洗浄を行います。塗装作業は○日から開始予定で、一部塗料のにおいが発生することがありますので、ご理解いただけますと幸いです」と伝えれば、近隣の方も心の準備ができます。
3-3. 注意してほしいこと(洗濯物、車両の出入りなど)
外壁塗装工事では、近隣住民にも影響を及ぼす可能性があるため、特に注意してもらいたいポイントを事前に伝えておくことが大切です。具体的には、洗濯物や車両の出入りに関する注意事項を説明しましょう。
- 洗濯物
塗料の飛散や高圧洗浄時の水しぶきがかかる可能性があるため、外に干さないようにお願いする。 - 車両の出入り
工事車両の駐車や資材搬入で、一時的に通行しにくくなる場合があるため、事前に説明する。
例えば、「○日と○日は高圧洗浄と塗装作業を行うため、外に干した洗濯物に影響が出る可能性があります。恐れ入りますが、室内干しなどをご検討いただけますと幸いです」と伝えれば、住民の不安を和らげることができます。
また、駐車場を利用する方には、「工事期間中、業者の車両が出入りするため、一時的に通行しにくくなる可能性があります。必要があれば、施工業者と調整いたしますので、お気軽にご相談ください」と伝えておくと、トラブルを未然に防げます。
3-4. 連絡先(あなたの連絡先と塗装業者の連絡先)
万が一のトラブルや問い合わせに備えて、連絡先を明確に伝えておくことが重要です。近隣住民から「工事の騒音が気になる」「車両の出入りを調整してほしい」といった相談があった際、迅速に対応できるようにするためです。
伝えるべき連絡先は以下の2つです。
- 施主(あなた)の連絡先:何かあった際に、近隣の方が直接連絡できるようにしておく。
- 塗装業者の連絡先:技術的な相談や緊急時の対応ができるようにする。
例えば、「工事期間中、何か気になることがございましたら、私(○○)または施工業者(○○会社)の○○(担当者名)までご連絡ください」と伝え、連絡先を記載した紙を渡すと、より安心感を与えられます。
また、挨拶回りの際に「何かご不明点がありましたら、お気軽にご連絡ください」と伝えておくと、近隣住民も安心しやすくなります。
4. 挨拶は自分でする?業者に任せても良い?
外壁塗装の挨拶は、自分で行うべきか、それとも業者に任せても良いのか迷う方も多いでしょう。基本的には塗装業者に任せても問題ありませんが、場合によっては施主自ら挨拶をしたほうがよいケースもあります。どちらを選ぶ場合でも、失礼のないようにするためのポイントがありますので、それぞれ詳しく解説します。
4-1. 基本は塗装業者にお任せでもOK
近所への挨拶は、塗装業者に任せても大丈夫です。多くの業者は、工事前に近隣住民へ挨拶をする習慣があり、専門的な説明もできるため、安心して任せることができます。特に、仕事や家庭の事情で時間が取れない方にとっては、大きな負担を軽減できるでしょう。
塗装業者に挨拶を依頼するメリットは、以下の点です。
- 工事の専門的な説明ができる
足場の設置や高圧洗浄など、工事に関する質問にも的確に対応できる。 - 経験豊富なため、スムーズに対応できる
近隣住民の反応に応じた適切な対応が可能。 - 手間がかからない
施主が個別に挨拶回りをする必要がなく、時間を節約できる。
例えば、「○○塗装では、工事前に近隣の方々へご挨拶を行いますので、ご安心ください」といった形で、業者側から説明があることが一般的です。ただし、業者によっては挨拶を行わない場合もあるため、事前に「近隣への挨拶はしてもらえますか?」と確認しておくと安心です。
4-2. 直接挨拶が望ましいケース
場合によっては、施主自ら挨拶をしたほうが良いケースもあります。特に、以下のような状況では、直接足を運んで挨拶をすると印象が良くなり、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。
- 日頃から付き合いのあるご近所の方がいる場合
特に親しくしている方には、業者任せではなく、自分で挨拶をしたほうが礼儀正しい印象を与えられます。 - 工事による影響が大きい隣家や向かいの家
足場の設置や塗装のにおい、作業音などで特に影響を受ける可能性が高い家には、直接説明すると配慮が伝わります。 - 過去にご近所トラブルがあった場合
以前に騒音や駐車トラブルなどがあった家には、誠意をもって自分で挨拶したほうが、工事中のクレームを防ぎやすくなります。
例えば、「○○さん、こんにちは。来週から外壁塗装工事をすることになりまして、ご迷惑をおかけするかもしれません。何か気になることがありましたら遠慮なくお知らせください」と伝えれば、相手も安心しやすくなります。
また、直接訪問が難しい場合は、手紙やメモを添えて品物を渡すのも効果的です。忙しいご近所の方には、「ご不在の場合はポストにメモを入れさせていただきます」としておくと、丁寧な印象になります。
4-3. 業者に依頼する場合の注意点
塗装業者に挨拶を依頼する場合も、いくつか注意しておくべきポイントがあります。依頼をしたからといって完全に任せきりにするのではなく、施主自身も最低限の確認を行いましょう。
特に、以下の点を事前に確認しておくことが重要です。
- 業者がどの範囲まで挨拶をするのか
一般的には、左右の隣家と向かいの家、裏手の家までが対象ですが、地域によって異なるため確認が必要です。 - 挨拶のタイミング
工事開始の何日前に挨拶するのかを把握し、近隣住民が不安に感じないよう調整する。 - 挨拶時の説明内容
工事期間や注意点が正しく伝わるよう、どのような説明をするのか業者と共有しておく。
例えば、「○○塗装さんには近隣3軒まで挨拶をお願いしましたが、裏のお宅にも影響がありそうなので、私から挨拶しておこう」といったように、挨拶の範囲を柔軟に調整するとより丁寧な対応になります。
また、業者によっては挨拶用の粗品を用意してくれる場合もあります。その場合は、「どのような品物を渡すのか」を事前に確認し、必要に応じて自分で用意するのも良いでしょう。
5. 喜ばれる近所挨拶の品物選び【相場とおすすめ】

外壁塗装の挨拶で持参する手土産は、近隣住民の方々に喜んでいただけるものを選びたいですよね。しかし、高価なものである必要はありません。ここでは、手土産の予算相場やおすすめの品物、避けるべき品物などについて詳しく解説します。
5-1. 手土産は気持ちが大切!高価なものである必要はない
ご近所への挨拶で重要なのは、感謝や配慮の気持ちを伝えることです。手土産はあくまでその手段の一つであり、高価なものを渡す必要はありません。むしろ、高級すぎる品物を選んでしまうと、相手に気を遣わせてしまう可能性があるため注意が必要です。
手土産を渡す理由は、工事中の騒音や塗料のにおいなど、少なからず近隣に影響を与えてしまうためです。そのため、形式的に渡すのではなく、「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします」と一言添えて手渡すことが大切です。
例えば、「お世話になります。工事の間、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします」と伝えながら、簡単な日用品を渡すと、相手に良い印象を与えられます。
5-2. 手土産の予算相場:500円~1,000円程度
手土産の相場は、一般的に500円~1,000円程度が適切とされています。これは、高すぎず、かといって安すぎて失礼にあたることもない、ちょうど良い金額だからです。
また、渡す相手によって予算を調整するのも良い方法です。例えば、特にお世話になる両隣や向かいの家には1,000円程度の品物を用意し、それ以外の家には500円程度のものを選ぶと、バランスがとれます。
【手土産の相場目安】
渡す相手 | 予算目安 |
---|---|
両隣・向かいの家 | 800円~1,000円程度 |
それ以外のご近所 | 500円程度 |
もし、日頃から親しくしている近隣住民の方々や、特にお世話になっている方々には、少し高価なものを選んでも良いでしょう。しかし、その場合でも、3,000円以内に抑えるのが無難です。
5-3. おすすめの手土産:日用品が定番
手土産としては、日常的に使うものを選ぶのが最適です。日用品であれば、相手の好みに左右されにくく、無駄になることがありません。以下、具体的におすすめの品物を紹介します。
5-3-1. 洗剤(洗濯洗剤、食器用洗剤)

洗剤は毎日の生活で必ず使う消耗品のため、手土産として人気があります。特に、無香料や低刺激タイプのものを選ぶと、相手の好みに合わないというリスクを減らせます。洗濯洗剤や食器用洗剤など、いくつか種類を詰め合わせると、より喜ばれるでしょう。
5-3-2. タオル

タオルも実用的なアイテムとして喜ばれます。フェイスタオルやハンドタオルが定番で、シンプルなデザインや無地のものを選ぶと無難です。特に、今治タオルなどの高品質なタオルは、喜ばれるでしょう。
5-3-3. 石鹸・ハンドソープ

清潔を保つアイテムとして、石鹸やハンドソープもおすすめです。特に、薬用石鹸や泡タイプのハンドソープは実用性が高く、どの家庭でも喜ばれます。特に、オーガニック素材を使ったものや、香りの良いものは、女性に喜ばれるでしょう。
5-3-4. ゴミ袋(自治体指定)
意外かもしれませんが、自治体指定のゴミ袋も実用的で喜ばれる手土産の一つです。どの家庭でも必ず使用するものであり、特に有料のゴミ袋が必要な地域では、気の利いた贈り物として評価されます。
5-3-5. その他日用品(ラップ、アルミホイル、保存袋など)
キッチンで役立つアイテムも、手土産として選ばれることが多いです。サランラップやアルミホイル、ジップロックなどは、どの家庭でも使うため、実用性が高いです。
5-4. 避けるべき手土産
手土産選びで注意しなければならないのが、相手の好みや状況によっては喜ばれない品物を避けることです。以下のようなものは、できるだけ選ばないようにしましょう。
5-4-1. 食品(アレルギーや好みが分かれる可能性)
食品は、一見喜ばれそうに思えますが、アレルギーや好みの違いがあるため避けるのが無難です。特に、洋菓子や和菓子は、甘いものが苦手な人もいるため注意が必要です。
5-4-2. シャンプー、ボディソープ(好みが分かれる可能性)
シャンプーやボディソープも一見実用的に思えますが、香りや成分に好みが分かれるため、避けた方が良い手土産の一つです。特に、敏感肌の方にとっては、使用できない可能性もあります。
5-4-3. 高価すぎるもの、ブランド品(相手に気を遣わせてしまう可能性)
高級ブランドのタオルや洗剤、ギフトセットなどは、かえって相手に気を遣わせてしまうことがあります。手土産はあくまで「ちょっとした気持ち」として渡すものなので、高級すぎるものは避けましょう。
6. 手土産に添える「のし」の書き方とマナー

外壁塗装の挨拶で手土産を持参する場合、「のし」を付けるべきか迷う方もいるでしょう。ここでは、「のし」の必要性から書き方、マナーまで詳しく解説します。
6-1. のしは付けるべき?
結論から言うと、手土産にのしを付けるのが望ましいです。のしは、正式な贈答品としての礼儀を示すものであり、ご近所への挨拶でも好印象を与えられます。特に、外壁塗装のような工事に関する挨拶では、今後の良好な関係を築くためにも、形式を整えることが大切です。
ただし、のしを付けるかどうかは地域性や相手の価値観にもよるため、絶対に必要というわけではありません。例えば、親しい関係のご近所であれば、のしを省略しても問題ないこともあります。迷った場合は、のし付きで用意するのが無難です。
のしを付けるべき理由
- 丁寧な印象を与えられる(形式的なマナーとして推奨)
- 手土産の目的を明確にできる(工事の挨拶として渡していることが伝わる)
- 地域によっては習慣として根付いている
6-2. のしの種類:紅白の蝶結びを選ぶ
のしにはさまざまな種類がありますが、ご近所への挨拶の手土産には「紅白の蝶結び」を選びましょう。
紅白の蝶結びが適している理由
- 何度繰り返してもよいお祝い事や一般的な贈り物に使われるため
- 工事の挨拶は、慶事ではないが「感謝の気持ち」を示す場面として適している
一方で、結び切りののし(婚礼や弔事向け)や黒白の水引(弔事用)は不適切なので注意しましょう。
【のしの種類と用途】
のしの種類 | 用途 |
---|---|
紅白の蝶結び | 一般的な贈答品(挨拶、出産祝い、記念品など) |
紅白の結び切り | 婚礼や快気祝い(繰り返したくない贈り物) |
黒白・黄白の結び切り | 弔事用(香典返しなど) |
ご近所挨拶の手土産には「紅白の蝶結び」を選びましょう。
6-3. 表書き:「ご挨拶」または「粗品」が一般的
のし紙の表書きには、渡す目的が伝わる言葉を選びます。「ご挨拶」または「粗品」と書くのが一般的です。
- 「ご挨拶」 → より丁寧な印象を与える(一般的に推奨)
- 「粗品」 → 控えめな表現として使用(シンプルな手土産向け)
表書きには、「外壁塗装の工事でご迷惑をおかけします」という意味を込めるため、「お詫び」と書くことは避けましょう。工事は正式な手続きのもとで行うものなので、あくまで「挨拶」として伝えることが大切です。
6-4. 名前の書き方:苗字のみでOK
のしに書く名前は、苗字のみでOKです。フルネームを記載するとかしこまりすぎるため、一般的には「○○(苗字)」とシンプルに書きます。
【名前の書き方のポイント】
- 施工主の名前(苗字のみ)を書くのが一般的
- 会社名や「施主 ○○」と記載することも可能(施工会社が代行する場合)
- 連名にする必要はなく、代表者の苗字のみで十分
例えば、田中さんが外壁塗装をする場合、のしには以下のように記載します。
「ご挨拶 田中」
また、施工会社が代理で渡す場合は、「ご挨拶 施主 田中」とすることもあります。
6-5. 外のしで渡すのが基本
のしには「内のし」と「外のし」がありますが、ご近所挨拶の手土産では外のしを選ぶのが基本です。
外のしと内のしの違い
のしの種類 | 特徴 | 使用場面 |
---|---|---|
外のし | 包装紙の外側にのしを掛ける | 贈る相手に目的を明確に伝えたい場合 |
内のし | 包装紙の内側にのしを掛ける | 控えめに贈りたい場合(個人間の贈答など) |
ご近所挨拶の手土産では、外のしを推奨します。理由として、外のしなら渡す際に「ご挨拶」という表書きが相手にすぐ伝わるためです。一方、内のしは主に個人間の贈り物や控えめな贈答に使われます。
【外のしを選ぶべき理由】
- 手土産の目的を明確にできる(「ご挨拶」と書かれているため)
- 工事の挨拶として相手に伝わりやすい
- 簡易包装の手土産にも適している
また、のしを付けた手土産を渡す際は、相手の正面で両手を添えて差し出すのがマナーです。「工事でご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします」と一言添えながら渡しましょう。
7. 【例文付き】近所への挨拶状の書き方とポイント

外壁塗装工事を行う際、口頭での挨拶だけでなく、書面での「挨拶状」を用意すると、より丁寧な印象を与えられます。 挨拶状は、工事の概要や連絡先を明確に伝えることで、ご近所の不安を和らげる役割も果たします。ここでは、挨拶状に記載すべき項目と例文を紹介します。
7-1. 挨拶状に記載すべき項目
挨拶状には、最低限以下の4つの項目を記載しましょう。これらを明記することで、工事の影響を受けるご近所の方々が事前に心構えを持てるだけでなく、万が一トラブルが発生した際の対応もスムーズになります。
7-1-1. 工事の概要(期間、内容)
最初に、工事の期間と内容を明確に記載しましょう。いつからいつまで工事が行われるのか、どのような作業が行われるのかを伝えることで、ご近所の方が予定を調整しやすくなります。
【記載例】
- 工事期間:○月○日(○曜日)〜○月○日(○曜日)
- 工事時間:午前○時〜午後○時(天候や進捗により変動する場合あり)
- 工事内容:外壁塗装(足場設置、高圧洗浄、塗装作業 など)
例えば、工事が10日間にわたる場合、「○月○日〜○月○日の間、外壁塗装工事を実施いたします。期間中は作業音や塗料のにおいが発生する可能性がございます。」と記載すると、受け取る側にもわかりやすくなります。
7-1-2. 特に迷惑をかける可能性のある作業と日時
特に騒音や振動が発生しやすい作業については、事前に伝えておくことが重要です。例えば、足場の設置や高圧洗浄は大きな音が出るため、「この日にこの作業がある」と明記することで、相手に心の準備をしてもらえます。
【記載例】
- 足場設置・撤去:○月○日(○曜日)※金属音が発生する可能性があります
- 高圧洗浄:○月○日(○曜日)※水しぶきが発生する場合があります
- 塗装作業:○月○日〜○月○日 ※塗料のにおいがする可能性があります
また、小さなお子さんやペットを飼っている家庭、在宅勤務をしている方がいる場合、事前にこの情報を伝えておくことで、余計なトラブルを防ぐことができます。
7-1-3. 連絡先(あなたと業者の連絡先)
万が一、工事中にトラブルや困りごとが発生した際に、すぐに連絡が取れるように連絡先を記載しましょう。施主(あなた)と施工業者の両方の連絡先を書いておくと、相手が状況に応じて適切な方に問い合わせることができます。
【記載例】
- 施主:○○(苗字) 電話番号:○○○-○○○○-○○○○
- 施工会社:○○塗装株式会社 現場担当:○○ ○○(担当者名)
電話番号:○○○-○○○○-○○○○
施工業者の連絡先も記載することで、「工事に関する詳細な問い合わせは施工会社へ」という対応がしやすくなります。
7-1-4. 協力のお願いと迷惑をかけることへのお詫び
最後に、ご近所の方への配慮の気持ちを伝える一文を加えましょう。迷惑をかけることに対するお詫びと、協力をお願いする姿勢を示すことで、より円滑な関係を築くことができます。
【記載例】
「工事期間中は何かとご不便をおかけすることがあるかと存じますが、安全第一で進めてまいりますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。」
このような文章を添えることで、工事に対する印象が和らぎ、トラブルが発生しにくくなります。
7-2. 挨拶状の例文
実際に使用できる挨拶状の例文を紹介します。以下のフォーマットを参考に、自身の工事内容に合わせて修正してみてください。
【挨拶状の例文】
【外壁塗装工事のお知らせとお願い】
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび私どもの住宅の老朽化に伴い、下記の通り外壁塗装工事を実施することとなりました。工事期間中は騒音や塗料の臭い等でご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございません。安全に配慮し、できる限り短期間で作業を完了するよう努めてまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
【工事概要】
■工事期間:令和○年○月○日(○曜日)~令和○年○月○日(○曜日)予定
※天候等により多少前後する場合がございます。
■工事内容:
1.足場組立:○月○日(○曜日)
2.高圧洗浄:○月○日(○曜日)~○日(○曜日)
3.下地処理:○月○日(○曜日)~○日(○曜日)
4.塗装作業:○月○日(○曜日)~○日(○曜日)
5.足場解体:○月○日(○曜日)~○日(○曜日)
■作業時間:午前8時~午後5時(日曜日は作業休み)
【特にご注意いただきたい日程】
●高圧洗浄作業日(○月○日~○日)
水しぶきや騒音が発生します。この日は窓を閉め、洗濯物は室内に干していただくようお願いいたします。
●塗装作業日(○月○日~○日)
塗料の臭いが発生します。風向きによっては塗料が飛散する可能性がありますので、お車は少し離れた場所への駐車をお願いいたします。
【連絡先】
■施主:山田太郎(○○町○丁目○番○号)
電話:090-0000-0000(いつでもご連絡ください)
■施工業者:○○塗装株式会社
担当者:佐藤一郎 電話:03-0000-0000(平日9時~18時)
現場責任者:鈴木次郎 携帯:080-0000-0000(作業中いつでも)
工事期間中は何かとご不便をおかけいたしますが、何かございましたらどんな小さなことでもお気軽にご連絡ください。工事完了後は周辺の清掃を徹底し、元の状態に戻すよう努めます。
皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
敬具
令和○年○月○日
山田太郎
8. 近所挨拶でよくある疑問と注意点

外壁塗装の近隣挨拶は、初めての経験で戸惑うことも多いでしょう。ここでは、よくある疑問と注意点について解説します。
8-1. 挨拶に行く時間帯:午前10時~11時、午後2時~5時が目安
ご近所への挨拶は、相手が在宅している可能性が高い時間帯を選ぶことが重要です。早朝や夜間は避け、適切な時間に訪問することで、相手に不快感を与えずに挨拶を済ませることができます。
【おすすめの時間帯】
- 午前10時~11時:朝の家事が一段落し、多くの人が比較的落ち着いている時間帯
- 午後2時~5時:昼食後で在宅率が高く、仕事や学校からの帰宅前の時間帯
この時間帯は、主婦や高齢者の方が在宅している可能性が高く、スムーズに挨拶ができる傾向にあります。ただし、相手の生活リズムによっては、異なる時間帯のほうが適している場合もあるため、事前に様子をうかがうことも大切です。
逆に、早朝(~9時)や夜間(18時以降)は避けるべき時間帯です。朝は仕事や家事で忙しい時間帯であり、夜はリラックスしている時間帯のため、突然の訪問は迷惑になりかねません。休日も家族と過ごす時間を大切にする人が多いため、訪問は平日が無難です。
8-2. 不在だった場合の対応:挨拶状をポストに投函
訪問した際に相手が不在だった場合、何度も訪れるのは相手の負担になるため、挨拶状をポストに投函するのがマナーです。挨拶状を残しておけば、工事の内容や期間、連絡先を伝えることができ、相手に安心感を与えられます。
また、可能であれば、後日改めて訪問するようにしましょう。
8-3. 挨拶を断られた場合
稀に、ご近所の方が挨拶を拒否することがあります。その場合は、無理に押しかけず、一度引くのが賢明です。
挨拶を断られる理由はさまざまですが、以下のようなケースが考えられます。
- 過去に工事トラブルを経験しており、工事そのものに不信感がある
- 見知らぬ人との接触を避けたい(防犯意識が高い、高齢者で警戒しているなど)
- 単に忙しく、対応する余裕がない
このような場合、無理に話しかけず、挨拶状をポストに投函するのがベストです。また、後日別の機会に、道端などで軽く挨拶を交わすことで、関係が和らぐこともあります。
重要なのは、「挨拶をしなかったから」といって関係を悪化させないことです。無理に接触せず、適度な距離感を保つことが、トラブルを防ぐポイントになります。
8-4. 工事後のお礼について
工事が無事終了した際には、お礼の挨拶をすることで、より良いご近所関係を築くことができます。外壁塗装は数十年に一度の工事とはいえ、騒音やにおいなどで周囲に影響を与えるため、最後に感謝の気持ちを伝えると好印象です。
【お礼の方法】
- 直接挨拶に伺う(可能であれば)
- 簡単な手土産を添える(1,000円前後のお菓子やタオルなど)
- お礼状を渡す、またはポストに投函する
例えば、次のような挨拶をすると良いでしょう。
「工事期間中はご迷惑をおかけしました。おかげさまで無事に完了いたしました。ご協力ありがとうございました。」
お礼の挨拶をすることで、「あの家はマナーが良い」と印象付けることができ、今後のご近所付き合いが円滑になります。ぜひ最後まで気を配るようにしましょう。
まとめ:事前の丁寧な挨拶で外壁塗装を気持ちよく成功させましょう
外壁塗装は、ご自宅を美しく保つための大切な工事ですが、近隣の方にとっては思わぬ負担となることもあります。そのため、事前の挨拶をしっかり行うことで、不安やトラブルを未然に防ぎ、工事期間中も気持ちよく過ごせる環境を作ることができます。挨拶の範囲やタイミング、伝えるべき内容を押さえておけば、スムーズに対応できるでしょう。
また、品物を添えることで、より丁寧な印象を与えられます。相場やおすすめの手土産、のしの書き方なども考慮し、誠意を持った対応を心がけることが大切です。万が一、挨拶ができなかった場合の対応や、工事後のお礼なども適切に行うことで、良好なご近所関係を築くことができます。
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